2016 Fiscal Year Research-status Report
太陽衝撃波の観測的研究による、コロナ質量放出の発生源の解明
Project/Area Number |
15K17772
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅井 歩 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50390620)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 太陽物理学 / 超高層大気物理学 / 宇宙天気 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽表面では、太陽面爆発(太陽フレア)に代表される磁気プラズマ現象が絶え間なく発生している。これら太陽フレアや関連して発生するプラズマ噴出現象・コロナ質量放出(CME)は、宇宙空間のプラズマ・磁場環境にとって擾乱源となる。そのため、太陽フレアや噴出現象の発生、およびそれらが宇宙空間に与える影響は、「宇宙天気」研究として盛んに研究されている。太陽からの噴出現象はCMEを形成し、また噴出現象の前方に形成される「コロナ衝撃波」は、宇宙空間において高エネルギー粒子を加速するなど、宇宙天気研究の中でも特に重要である。本研究は、太陽フレアに付随して観測されるコロナ衝撃波について、その3次元構造を明らかにし、さらにはこれらの噴出現象とCMEとの関係を、取得可能なあらゆる観測データを通じて明らかにすることを目的としている。
平成28年度は、引き続き太陽フレアやコロナ衝撃波についてのデータ解析を行った。特に、太陽コロナに浮かぶ低温プラズマである「フィラメント」は、太陽フレア等に伴い宇宙空間に噴出されることがあるが、この際CMEの核を形成することから、宇宙天気研究の中でも注目されている。また、高速での噴出がコロナ衝撃波の駆動源であるとの指摘もある。そこで、フィラメントの噴出の過程に詳細に迫った。このために、フィラメント噴出の速度場とコロナ衝撃波の関係について調べた。これらについて、学術論文としてまとめた他、学会発表を行った。加えて、大きなフレアに伴う高エネルギー粒子の加速に関して、太陽フレアの観測データから迫った。これらについても、学術論文としてまとめるに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの取得、解析はおおよそ計画通りに進んだ。また、複数の学術論文として研究成果を取りまとめるに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、フレアや噴出現象の発生が見込まれるため、解析対象のイベントが発生すれば、解析を行う。 数値計算結果との比較研究も推進する。
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Causes of Carryover |
データ解析に集中するため、(特に海外など遠方への)研究成果発表旅費を控えた。このため、次年度使用額が発生した。ただし、このために研究成果は着実に上がっており、最終年度となる平成29年度にはより積極的に研究成果発表を行う予定であり、全体の計画としては遅れは生じていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果発表を積極的に行う予定であり、その旅費として使用を計画している。
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[Journal Article] “Dandelion” Filament Eruption and Coronal Waves Associated with a Solar Flare on 2011 February 162017
Author(s)
Cabezas, Denis P.; Martinez, Lurdes M.; Buleje, Yovanny J.; Ishitsuka, Mutsumi; Ishitsuka, Jose K.; Morita, Satoshi; Asai, Ayumi; UeNo, Satoru; Ishii, Takako T.; Kitai, Reizaburo; Takasao, Shinsuke; Yoshinaga, Yusuke; Otsuji, Kenichi; Shibata, Kazunari
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 836
Pages: id.33
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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