2015 Fiscal Year Research-status Report
次期惑星探査に向けた新型極端紫外線検出器の開発研究
Project/Area Number |
15K17773
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
村上 豪 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (50734026)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 極端紫外線 / 検出器 / CMOS / マイクロチャンネルプレート / ファイバオプティクス / 惑星探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、宇宙機からの極端紫外線による惑星観測技術が確立し、将来計画においてその必要性が高まりつつある。一方、従来の装置設計で達成できる性能はすでに上限に達しており、将来計画に向け新たな突破口が必要であることもわかってきた。本研究では可視光用の画像素子であるCMOSイメージセンサを応用した新型の極端紫外線検出器を開発する。今年度は本研究の核となる、光を伝送するためのファイバーオプティクスプレート(FOP)とCMOSイメージセンサの結合技術の確立を目指す。 通常CMOSセンサは撮像面とその周辺電気回路を保護するためにカバーガラスで覆われている。これまでの研究(平成26年度科学研究費補助金26887050)においてカバーガラス除去済みのCMOSセンサの健全性確認および最適なFOP材質と接着剤の選定は実施済みである。今年度はそれらの結果をもとに、カバーガラス除去済みのCMOSセンサとFOPの結合試験を実施した。その結果、結合後も健全に動作することを確認した。また、結合済みの試作機に対して機械環境試験および熱サイクル試験を実施し、探査機への搭載性にも問題がないことを確認した。さらに、試作の性能評価試験を行い、結合時にFOPとCMOS間に圧力を加えることで分解能を最大限に向上できることを確認した。 これらの成果により、今年度の目標であったFOPとCMOSセンサの結合技術の確立を達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初の計画通り、カバーガラス除去済みのCMOSセンサとFOPの結合試験を実施した。その結果、結合後も健全に動作することを確認した。また、結合済みの試作機に対して機械環境試験および熱サイクル試験を実施し、探査機への搭載性にも問題がないことを確認した。 さらに、試作の性能評価試験を行い、結合時にFOPとCMOS間に圧力を加えることで分解能を最大限に向上できることを確認した。当初の計画では今年度は健全性の確認のみを目標としており、性能の向上までは含めていなかった。そのため、この成果により本研究を当初の計画以上に進展させることができたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度はFOPと真空容器の結合技術を確立させ、今年度の成果であるFOPとCMOSセンサの結合技術を用いて波長115nm以下の極端紫外線にも使用可能な露出型の極端紫外線検出器を完成させる。検出器を試作し、動作試験および光学試験を実施して分解能および入射光量の上限値を測定する。また試作機を用いて機械環境試験および熱真空試験を実施し、探査機への搭載性を確認する。
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Causes of Carryover |
当初購入を計画していたイメージインテンシファイアの価格が想定を超えていたため、購入はせずに過去の研究の予備品を用いることで対応した。そのため今年度の使用額が減り、次年度使用額生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度購入予定の浜松ホトニクス製マイクロチャンネルプレートアセンブリが想定より高額だったため、本装置の購入に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)