2016 Fiscal Year Research-status Report
オフィオライト海洋地殻を用いた熱水変質に伴う元素移動モデルの確立
Project/Area Number |
15K17790
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山岡 香子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (30610399)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋地殻 / 熱水変質 / 同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、オマーンオフィオライト海洋地殻試料について、主要・微量元素分析を行った。試料は、堆積物ー地殻境界からモホ面までの厚さ約5kmの海洋地殻を網羅する約90個の岩石粉末試料である。主要元素(Si, Al, Fe, Mg, Ca, Na, K, Ti, P)については、ガラスビードを作成し、蛍光X線分析装置(XRF)を用いた分析を行った。強熱減量(LOI)についても、現在分析を進めている。微量元素(Li, Rb, Cs, Ba, U, Pb, Cu, Zn, Mn, REEなど)については、試料を硝酸とフッ化水素酸の混酸を用いて酸分解し、ICP質量分析装置(ICP-MS)を用いて分析を行った。分解に際し、ジルコン及びバデレライトは通常の方法では十分に分解せず、正確なZr, Hf, Y, HREEの定量が出来ないため、シート状岩脈群及びハンレイ岩については、高圧分解装置を用いて、190℃で12時間の分解を行った。これらの分析作業の補助のために、テクニカルスタッフ1名を雇用した。分析においては標準岩石試料(JB-3など)を同時に分析し、良好な値が得られることを確かめた。以上のデータを用い、変質前の海洋地殻の化学組成や、各変質帯の熱水変質における各元素の挙動について、解析を行った。パシフィコ横浜で行われたゴールドシュミット国際会議に参加し、海洋地殻の熱水変質に関する最新の研究について情報収集を行うとともに、先行研究の文献資料を収集して、これまでの知見を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析は順調に進んでおり、良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、未変質玄武岩の微量元素・同位体分析に着手する。
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Causes of Carryover |
試薬等の消耗品使用量が予想より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未変質玄武岩の微量元素・同位体分析のための消耗品や成果発表のための旅費として使用する。
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[Journal Article] Lithium isotopic systematics of submarine vent fluids from arc and back-arc hydrothermal systems in the western Pacific2016
Author(s)
Araoka, D., Nishio, Y., Gamo, T., Yamaoka, K., Kawahata, H.
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Journal Title
Geochemistry, Geophysics, Geosystems
Volume: 17
Pages: 3835-3853
DOI
Peer Reviewed
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