2016 Fiscal Year Annual Research Report
Self-diffusion in high-pressure ices and implications for plastic flow in the interiors of the large icy bodies
Project/Area Number |
15K17795
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野口 直樹 岡山大学, 惑星物質研究所, 特別契約職員(助教) (50621760)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 高圧氷 / 拡散 / 粘性 / 氷天体 / レオロジー / プロトン |
Outline of Annual Research Achievements |
タイタンやガニメデなどのような大型氷天体の主要な内部構成物質はH2O氷の高圧相であると推測されている。それらの自己拡散係数を決定することによって、拡散クリープが卓越するような低応力条件での塑性変形流動則を推測することができる。 前年度に確立した高圧氷の同位体トレーサー拡散実験法を用いて、本年度は氷VI相多結晶体の拡散実験を実施した。温度圧力条件については、300~320 K, 0.5~1.8 GPaの範囲に設定し、同位体トレーサーとしてはD2OとH218Oを用いて拡散実験を行った。VI相中の水分子の体拡散係数と、その温度依存性から活性化エネルギーを決定できた。この結果を基にして、拡散クリープの式を使ってVI相の塑性変形流動測(応力-粘性-歪み速度の関係式)を導いた。その結果、タイタン内部のマントルの温度圧力条件と推定される1.5 GPa, 280~320 Kでの粘性は、平均粒径は1 mmとして仮定して計算すると10^13~10^15 Pa・sになった。また、塑性変形流動測を基にしてタイタン内部の高圧氷VI相の層で熱対流が起きる条件(臨界厚み)を導いた(Noguchi et al.in preparation)。現状では、粘性と臨界厚みの見積もるときに平均粒径をフリーパラメータとして扱っており、より現実的な内部ダイナミクスの議論をするためには、VI相多結晶体の粒成長実験を行って、大型氷天体内部における平均粒径を制約する必要がある。
|
Research Products
(5 results)