2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of coordination nanosheets of hofmann-type coordination polymers
Project/Area Number |
15K17833
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大谷 亮 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 助教 (30733729)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 配位高分子 / 熱膨張 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジグザグ構造有するシアノ架橋二次元配位高分子 [Mn(salen)]2[M(CN)4(solvent)] (M = MnN, ReN, Pt, PtI2; solvent = MeOH, MeCN) 6種類を合成し、異方的熱膨張挙動について詳細な検討を行った。全ての化合物が、[Mn(salen)]+ ユニットのアキシアル位に [M(CN)4]2- のシアノ基が配位、架橋することで構築されるジグザグシートが積層した構造を有していた。温度可変単結晶構造解析によりそれぞれの熱膨張挙動について調べたところ、M = MnN, MnN(MeOH), ReN(MeOH) 体についてはジグザグシートが収縮し面内の負の熱膨張を示したが、M = MnN(MeCN), PtI2 体は膨張し正の熱膨張を示した。一方で、M = Pt 体はシートが構造変化を示さない面内膨張率ゼロであった。全ての化合物の構造変化について詳細に検討することで、熱膨張現象の起源が、骨格の節にある [Mn(salen)]+ ユニットの“配位構造ひずみ”であることを見出した。熱により、ひずみを減少させるように salen 配位子が回転することでジグザグシートの構造変化が生じ、“ひずみの方向”の違いを反映して正と負の真逆の異方的熱膨張挙動が発現していることが明らかとなった。更に、面内膨張率ゼロであった M = Pt 体は、その緩和現象が起こらないようにひずんでおり、すなわち熱応答性が制限されていることが分かった。また、これらの配位構造歪みは、[M(CN)4]2- ユニットの構造に由来することが明らかとなった。すなわち、[M(CN)4]2- ユニットのアキシアル位が埋まっているかどうかによる salen 配位子との反発の有無が配位構造歪みの方向を決定していた。
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Research Products
(9 results)