2015 Fiscal Year Research-status Report
単分子接合におけるショットノイズ計測の開発および物性発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
15K17842
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 哲 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (10738537)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 単分子接合 / 物性解明 / ノイズ計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はMechanically controllable break junction (MCBJ)法を活用したショットノイズ計測システムの構築を行った。単原子・単分子接合のショットノイズ計測に必要な寿命を確保するため、電子線リソグラフィ法により作製した微細加工電極を用いて安定な金単原子接合の作製を試みた。電気伝導度計測、ポイントコンタクトスペクトロスコピー計測を行い、単原子接点の構造変化及び電子輸送特性が変化しないか評価を行った。結果として極低温超高真空中において、20分程度、金単原子接合を保持することに成功し、ノイズ計測に十分な寿命を持つ金単原子接点の作製することができた。さらに作製したシステムを金単原子接点に適用した。従来の電気伝導度計測、振動分光法に加えて、ショットノイズ計測を行うことで、金単原子接点の電気伝導チャンネルにおける電子透過率を明らかにし、金単原子接点の電子状態に関する情報を得ることに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計測システムはほぼ完成しており、金単原子接点におけるショットノイズ計測を行う段階に来ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
金単原子接合のショットノイズ計測を行い、さらに単分子接合のノイズ計測に展開する。
|
Causes of Carryover |
昨年度末、共同利用施設の利用料の補充のため研究費の繰り上げ申請をしたが、予想以上に施設利用費を節約することができたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度予算と合わせて微細加工に必要な化学薬品の購入費用に充当する。
|