2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly active peptide catalysts by library screening
Project/Area Number |
15K17851
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤川 賢吾 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (60548733)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ペプチド触媒 / ライブラリスクリーニング / コンビナトリアル化学 / 不斉マイケル付加 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに確立したスクリーニング手法を用い,大規模なペプチドライブラリから高活性触媒の探索を行った。有機溶媒中でのスクリーニングでヒスチジンを含むペプチド配列が得られ,マロン酸ジエステルのα,β-不飽和アルデヒドに対する不斉マイケル付加反応において高い触媒活性とエナンチオ選択性を示した。2 mol%の触媒量で反応を行うことができ,96~99% eeの選択性で生成物が得られた。配列中に含まれるヒスチジンの役割を解析し,基質のアルデヒドをペプチド触媒に取り込む効果があることを明らかにした。 次に,酵素が水中で高い触媒能を発揮することから,水系溶媒中でライブラリスクリーニングを行えばさらに高活性なペプチド触媒が得られるものと期待して検討を行った。水系溶媒中のスクリーニングで得られた配列は有機溶媒中で得られたものとは異なる傾向を示し,リシンを含むペプチドが高活性な触媒として見出された。最適化したリシン含有ペプチドを用いると,0.3~1 mol%の触媒量でマロン酸ジエステルの不斉マイケル付加反応を行うことが可能であった。 以上の研究で,スクリーニング手法の妥当性を確認し,大規模ライブラリを用いて迅速に高活性なペプチドが得られることを示した。最後に,このスクリーニング手法を今まで達成されていない反応に適用した。グアイアズレンとクロトンアルデヒドとのフリーデル・クラフツ型の付加反応は報告例がなく,また,これまで我々が開発してきたどのペプチド触媒を用いても反応が進行しなかった。大規模ペプチドライブラリを用いた水系溶媒中でのスクリーニングを行い,この反応を進行させるペプチド配列を見出すことに成功した。本スクリーニング法によってペプチドの可能性を引き出し,通常の触媒では困難な反応を実現できたことは意義深い。
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