2015 Fiscal Year Research-status Report
連続的アミド化-環化による高原子効率の環状ペプチド合成法の開発
Project/Area Number |
15K17852
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 新一郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (00505844)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロフロー / ペプチド / アミド化 / 光反応 / 環状ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は1)マイクロフロー法を用いる環状酸無水物調製条件の確立、および2)環状酸無水物を用いるマイクロフローアミド化条件の確立を目指して研究に取り組んだ。 1)について無保護のフェニルアラニンとトリホスゲンを用い、塩基の種類、反応温度、反応時間、マイクロミキサーの種類や流速を検討したところ、通常のフラスコを用いた場合には加熱条件下で40分を要する反応が、マイクロフローリアクターを用いることで、室温条件下でもわずか3.3秒で進行し、フラスコを用いた条件と遜色ない収率で目的物が得られることを見出した。なお、本反応は高流速条件で実施することが可能であり、生産効率も高い手法である。 続いて2)について、フェニルアラニンおよびセリンから誘導した環状酸無水物を用いてマイクロフローアミド化の検討を実施した。反応時間や反応温度、溶媒、塩基等について詳細な検討を実施したところ、セリンから誘導した環状酸無水物についてはマイクロフローリアクター中で、170℃で2.5分間加熱することにより目的のアミドを収率70%で得られることを見出した。また、フェニルアラニンから誘導した環状酸無水物については、マイクロフローリアクター中で、140 ℃で7分間反応させることにより最高85%の収率でアミド化反応が進行することを明らかにした。 今後、確立したマイクロフロー法を用いて環状酸無水物を調製し、さらにこれを用いて環化反応の検討に向けたマイクロフローアミド化を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実績の概要で記述した通り、H28年度に計画していた1)マイクロフロー法を用いる環状酸無水物調製条件の確立、および2)環状酸無水物を用いるマイクロフローアミド化条件の確立の二つの課題について、共に目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年、環状酸無水物の調製について無保護のアミノ酸を原料とした方法を検討して、目的物を得ることに成功した。一方で、その収率は50-60%にとどまり、その点では課題を残した。そこで、窒素上にベンゾイル基をもつ基質を原料とする環状酸無水物の調製についても検討することとする。また、環状酸無水物を用いるアミド化について検討を継続して他の基質での適用を試み、さらに光環化反応を検討する。
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Research Products
(2 results)