2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of high atom economy synthesis of cyclic peptides based on sequential amidation-cyclization
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15K17852
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 新一郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00505844)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロフロー / ペプチド / アミド化 / 光反応 / 環状ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
環状ペプチドは対応する鎖状ペプチドと比較して標的選択性と膜透過性が向上すると考えられていることから次世代医薬品候補化合物として注目を集めている。しかしながら、その一般的合成法は、1)C末端側の保護基の除去工程を要する、2)アミノ基とカルボキシル基を共にもつ溶解性の乏しい環化前駆体を用いる必要がある、3)環化反応で過剰量の縮合剤を添加する必要がある、といった問題をもつ。本問題を解決すべく、C末端側にジニトロインドリニル基を保護基としてもつ鎖状ペプチドを合成し、これに光照射することで、保護基を反応系中で直接脱離基へ変換し、環化させる革新的な手法の開発に取り組んだ。まず、ジニトロインドリニル基を持つアミノ酸の調製を検討した結果、ジニトロインドリンは予想以上に溶解性に乏しく、アミノ酸との連結が困難であることが判明した。そこで、解決策としてブロモ基とニトロ基をもつインドリンを用いたところ、溶解性が改善し、アミノ酸と連結できた。こうして調製したアミノ酸に対して、独自に開発したマイクロフローアミド結合形成法を用いることによりアミノ酸を連結してペプチド鎖を高速で伸長した。続いて、ポータブルUVランプ(365 nm)にFEPチューブを巻きつけたマイクロフロー光反応装置を作製し、FEPチューブに鎖状ペプチドの溶液を通液することにより反応させた。その結果、わずか5分の光照射で原料が消失し、目的のマクロラクタム化が進行して、所望の環状ペプチドを得ることに成功した。本例は光照射条件を利用して保護基を直接脱離基に変換してマクロラクタム化させる戦略による初めての環状ペプチド合成例である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で主要な目的としていた、光照射条件下で保護基を直接脱離基に変換してマクロラクタム化させる戦略による環状ペプチドの合成法開発に成功した点は本年の最大の収穫であった。これまでにマイクロフロー合成法を駆使する高効率で生産性の高い環状酸無水物の調製にも成功していることから、本研究は概ね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
環状酸無水物を用いるペプチド鎖伸長に関しては、様々な検討にも関わらず今のところ収率向上には成功していない。一方で、環状酸無水物自体の調製に感しては、汎用的な手法となりうる特長を見出すことに成功している。研究期間を延長することにより、集中的に条件検討と基質適用範囲の検討に取り組み、環状酸無水物の実用的な合成法の開発に取り組む。
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Causes of Carryover |
環状酸無水物を用いるアミド化反応において、目的物を得ることができたものの、その収率は中程度にとどまったことから、H29年度も更なる検討を進める。また、環状酸無水物のマイクロフロー調製法に関して、対応するバッチ合成法と比較して高効率的かつ生産性の高い手法の開発に成功したため、本手法のさらなる検討を進める。これらに必要な試薬、溶媒購入費用として、上記の額を残すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
環状酸無水物のアミド化については、溶媒や塩基を変えて条件を検討する。また、環状酸無水物のマイクロフロー合成法については、基質を変えて適用範囲を検証する。このための、溶媒、塩基、基質の購入費用として上記の残額を使用する。
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Research Products
(11 results)