2016 Fiscal Year Annual Research Report
Efficient Synthesis of Phoslactomycins and its derivatives
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15K17853
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小川 熟人 明治大学, 理工学部, 専任講師 (50611109)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ホスラクトマイシン / 効率的合成 / キレーションコントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
ホスラクトマイシン類やロイストロダクシン類は抗菌,抗真菌活性を有する化合物である。また,近年脱リン酸化酵素の一種であるプロテインホスファターゼ2A(PP2A)を選択的に阻害することも報告されており,創薬リード化合物としての期待も高い。一方で,過去の合成では工程が長い,立体選択性が低いなどいくつか問題点がみられる。そこで申請者は新しい医薬品開発にこの分子を利用するため,様々な類縁体や誘導体の合成が可能なホスラクトマイシン類の効率的な合成法を開発することにした。 申請者はホスラクトマイシン類の中でもシクロヘキシル部分にエステル基を側鎖として有するホスラクトマイシンI-jをターゲットにした。キレーションコントロールおよび不斉水素移動反応を利用して合成したC8-C11セグメントに対してEvansアルドール反応により2つの不斉中心を構築した。その後,不斉補助基を除去した後,安藤らにより報告されたZ選択的なHWE反応を用いて立体選択的に不飽和エステルを得ることができた。その後,前年度合成したシクロヘキシル部分をカップリングしてホスラクトマイシンI-jのもつ全ての炭素骨格を構築した。続いて,不飽和エステル部分はチタン触媒による分子内環化反応を行ってラクトンを構築した。この化合物はデホスホホスラクトマイシンやデアミノ体の合成に利用できる。一方で,この化合物に対してリン酸基とアミノ基を順次導入して全合成を達成した。
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Remarks |
申請者は平成28年4月1日に現所属に異動したため,異動先のセットアップに時間がかかり当初より計画が遅れた。一方で,一定の成果は得られたため,成果については今後発表する。
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