2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17891
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
平間 宏忠 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 集積マイクロシステム研究センター, 研究員 (40748779)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Droplet microfluidics / Microchannels / Multiple emulsions / Surface modification |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、低毒性の環境水試料の有害性を計測・評価することを目的とした、液滴を用いた新規のハイスループットな環境計測手法を開発することである。本年度は、目的を達成するため、(1)微生物を内包する試料液滴の生成方法および装置の最適化、(2)試料液滴を濃縮する装置の作製からなる、2つの方針に沿って研究を行った。一つ目の微生物を内包する試料液滴の生成方法および装置の最適化では、微生物を内包し分析するための液滴を生成することを目指して、微小流体装置の部分的流路表面修飾技術を開発した。これを用いることで、サイズの揃った液滴を安定に保持することが可能な多相エマルション生成を実現した。今後は、多相エマルション生成のスループットを向上させるため、さらなる微小流体装置の改良を進める。つづいて、二つ目の試料液滴を濃縮する装置の作製では、ターゲットとなる試料を含んだ液滴が濃縮できる装置の実現を目指して、装置を構成する主な要素である、高浸透圧に調整されたゲル基板の組成を検討した。並行して、本装置上で安定した液滴濃縮を可能にするため、液滴の組成を検討した。これらの検討から、一定条件下のゲル基板および液滴を用いた場合において、液滴濃縮が実現できることを確認した。本年度は、以上の基礎的検討を行い、その成果を国際学術誌への論文投稿(投稿中)、および国内学会・国際会議にて発表した(採択済かつ発表予定のものを含む)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、液滴生成方法と液滴濃縮方法について検討を行った。液滴生成方法の検討では、内包物が安定的に操作可能な多相エマルション生成用の装置を作製することを目的として、液滴生成装置である微小流路に部分的に異なる濡れ性を付与する手法の開発を行った。液滴濃縮方法の検討では、濃縮可能な試薬の組成を探索し濃縮可能な条件を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は微生物を含まない液滴の生成と濃縮が実施できた。次年度は、微生物を内包した液滴を生成し濃縮することを目指す。また、液滴を使った分析では、液滴生成の生成速度が分析スループットに関係するため、さらに高速かつ大量に液滴が生成できる装置の作製を進める。
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Research Products
(3 results)