2015 Fiscal Year Research-status Report
多孔性配位高分子の空隙を利用したガス分子超高感度NMR
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15K17902
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
犬飼 宗弘 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (60537124)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多孔性配位高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
燃料電池の電極やガス分離貯蔵材料などの環境・エネルギー材料開発において、材料内部を拡散するガス分子運動の分光学的分析は重要である。本研究の目標は、酸素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素などのガス分子の核磁気共鳴(NMR)の検出感度を劇的に上昇させることである。金属イオンと有機配位子が自己集合で組み上がる多孔性配位高分子の細孔にガス分子を固定化し、予め細孔内に取り込んだ超偏極源から超偏極をガス分子に転写することに取り組んでいる。 平成27年度は、超偏極源となるペンタセンを内包した多孔性配位高分子の合成を実施した。ランタンイオンと1,3,5-benzenetrisbenzoate(BTB)から組み上がる多孔性配位高分子(LaBTB)に、0.05mM-0.15Mのモル濃度でペンタセンを内包することに成功した。また、ペンタセンを良く分散させるために、ナフタレンに予めペンタセンを添加し、その複合体をLaBTBに導入することを試みた。結果、LaBTBに対し、約1wt%のペンタセン内包にも成功した。他にも、亜鉛イオンと2,5-dioxidoterephthalateから組み上がる多孔性配位高分子(MOF-74)等の複数種類のMOFにペンタセンを内包することに成功している。得られた化合物に対して、UV-vis測定を行い、ペンタセン由来の吸収スペクトルを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した平成27年度の研究実施計画に従って研究を進めた。結果、平成27年度の研究目標である、ペンタセンを安定して内包できる細孔に関する基礎的な知見獲得、及びにペンタセンを内包した多孔性配位高分子を合成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載した平成28年度に従い、平成27年度で得られたペンタセンを内包した多孔性配位高分子に、二酸化炭素を取り込ませて、ガス分子の核スピン超偏極実験に取り組む。
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Causes of Carryover |
謝金の支払い(11160円)が4月になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月に謝金の支払い(11160円)をする予定。
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