2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of non-fluorinated superhydrophobic porous material
Project/Area Number |
15K17910
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
樋口 雅一 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定助教 (90402966)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超撥水 / 多孔性材料 / 複合化技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
超撥水効果は、セルフクリーニング効果(自浄効果)を材料表面にもたらすなど、機能性材料の重要な機能として注目を集めている。超撥水効果は、材料としてフッ素原子や長鎖アルキル基を用い、且つ材料表面をナノ~マイクロスケールレベルで乱雑にすることによって達成される。しかし、近年さらなる高機能化、材料改変が求められている状況にある。つまり、これまでは力を加えると撥水性が劣化することや、フッ素原子を含む化合物の環境負荷などが取り上げられ、力学的強度を持つ非フッ素系超撥水材料の開発が課題に挙がる。我々は、この課題に合致した材料として、多孔性配位高分子の一種を見出した。多孔性配位高分子は、金属イオンと有機架橋配位子から成る多孔性材料の総称である。新たに見出した超撥水性多孔性配位高分子は、フッ素原子を用いず、高い力学的強度、耐熱性、耐水性を併せ持つ材料である。本研究の目的は、1)超撥水のための材料設計性、2)材料の環境耐性、3)高分子等との複合化法を明らかにすることである。材料の設計性においては、メチル基を新たに導入したものでは、材料合成が困難であることが明らかになった。これは、材料形成のためのナノレベルでの空間制御が重要であり、メチル基よりも小さな置換基が材料合成には望まれることがわかった。環境耐性においては、高温高湿下においても、超撥水性が維持されることが確認された。高分子との複合化法においては、超撥水性多孔性配位高分子が300℃以上の熱耐性をもつため、高分子と200℃付近での混錬により複合化が可能であることが明らかになった。超撥水多孔性材料の環境耐性維持と形成加工法が明らかとなり、今後の超撥水材料展開の基礎的知見が得られた。
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