2016 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of multi stimuli-responsive gel particles as nano-transporter that recognize intercelluler environment
Project/Area Number |
15K17912
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
河村 暁文 関西大学, 化学生命工学部, 助教 (50612579)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 刺激応答性ゲル微粒子 / pH応答性 / 還元環境応答性 / ソープフリー乳化重合 / 核酸デリバリー / ドラッグデリバリーシステム / マイクロRNA干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,細胞内環境を認識して薬物を放出するナノトランスポーターの創製を目的として,酸性かつ還元環境下において劇的に膨潤する二重刺激応答性ゲル微粒子について検討を進めてきた。本年度は以下の成果が得られた。 1.二重刺激応答性ゲル微粒子の細胞内取り込み機構の解明:疎水性蛍光色素であるDiIを内包したゲル微粒子をマウス線維芽細胞に接触させた後,リソソームなどの細胞内小器官を染色することでゲル微粒子の細胞内取り込み経路について検討した。その結果,ゲル微粒子はエンドサイトーシス経路によって細胞内に取り込まれることが明らかになった。また,ゲル微粒子に内包した薬物の多くは細胞質内に移行しており,ゲル微粒子の酸性環境応答性がプロトンスポンジ効果を誘起することで,ゲル微粒子がエンドソームから脱出できることがわかった。 2.二重刺激応答性ゲル微粒子へのオリゴ核酸の内包:多くのガン細胞で発現量が増加しているmiR-21のseed配列の相補配列を有するオリゴデオキシヌクレオチド(asODN)のゲル微粒子内への導入について検討した。酸性かつ還元環境において膨潤したゲル微粒子とasODNとを混合したのちに生理的環境に戻してゲル微粒子を収縮させることで,asODNをゲル微粒子内へ封入した。その結果,ほぼすべてのasODNをゲル微粒子内に保持させることに成功した。さらに,asODN内包ゲル微粒子を生理的環境下で静置したところ,asODNはゲル微粒子からあまり放出されず,安定に保持されていることがわかった。
|
Research Products
(20 results)