2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of stochastic nonlinear finite-element method for simulating biomaterial with uncertainty
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15K17932
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
波田野 明日可 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20707202)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 流体構造連成 / 医用画像 / 確率有限要素法 / 血管 / 狭窄 |
Outline of Annual Research Achievements |
CTやMRIなど医用画像から臓器形状を取得し解析を行い,個人に合わせた治療の指針を導くなど解析を診断支援に活用するための試みが多く行われている.しかし画像境界の不鮮明さや物性値の不確定性など解析の入力値は不確定性が高い.不確定性の解析結果に及ぼす影響の評価が行われていないため,解析結果の精度は保証されていない.本課題では,狭窄を有する柔軟管に流れる拍動流を対象とした物性値や形状等入力の不確定性が解析結果に及ぼす影響の評価を行う. 当該年度は,不確かさを定量化する手法として,確率有限要素法解析の実装を行った.確率有限要素法は,解析条件にばらつきの情報を含ませた一回の解析を行い,解析結果にもばらつきが出力されるようにするものであり,計算コストを抑えつつ不確かさを定量化する手法である.確率有限要素法では,解析条件のうち確率変数と見なされるもののモーメントを設定したうえで解析を行い,解析結果のモーメントを得る.本研究では粘性係数を確率変数とみた解析を行うため,Navier-Stokes方程式に対し,流体粘性係数を確率変数の摂動近似として与え,摂動法に基づき流速の変動率決定方程式群を導出する.今回は確率変数として粘性係数をとり,1次近似法での実装を行った.粘性係数の標準偏差として10^-6を与え,評価値として狭窄前後の圧力降下をとり確率有限要素法解析を実施したところ,粘性係数の変化に対して圧力降下が鋭敏に応答する領域(低粘性域)では標準偏差>1と大きな値となり,粘性係数によらず圧力降下がほぼ一定となる領域では標準偏差は10^-2程度と小さくなった.標準偏差の値は,粘性係数の変化に対する圧力降下の応答の傾向をおおむね再現し,不確かさの定量的評価法として妥当であることを確認した.
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