2015 Fiscal Year Research-status Report
後突衝撃をうける自動車乗員の応答に及ぼす能動的姿勢の影響解析
Project/Area Number |
15K17935
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
プラムディタ ジョナス 新潟大学, 自然科学系, 助教 (50615458)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運転姿勢 / 三次元姿勢推定 / ドライブレコーダ / 筋活動 / 筋骨格モデル / アクティブ乗員モデル / 被験者実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動車事故による死者数と負傷者数は減少傾向にあるが,事故発生件数に対する死者数と負傷者数の割合はほとんど変化しない.これは自動車の衝突安全技術の設計開発と性能評価において乗員の運転姿勢や能動的動作を考慮していないためであると考えられる.本研究では,後面衝突事故時における頚部傷害リスクに及ぼす運転姿勢の影響を解明するために,実際に存在しうる運転姿勢の個体差とその時の筋活動を明らかにするとともに,アクティブ乗員モデルによる自動車衝突事故解析手法を新たに確立することを目的としている.平成27年度では,運転姿勢個体差の解析,運転時の筋活動の計測およびアクティブ乗員モデルの構築を行い,以下の成果を得た. (1) ドライブレコーダ映像をもとにドライバの三次元頭部姿勢を推定する手法を開発し,被験者実験によりこの手法の推定精度を明らかにした.また,この手法を用いて多数のドライブレコーダ映像を解析し,各ドライバの頭部の三次元姿勢や運動範囲を明らかにするとともに,パターン化を試みた. (2) 被験者実験により自動車シート座位時における筋電図の測定を行い,運転姿勢の違いによる筋活動の変化を明らかにした.また,筋骨格モデルを用いてこの被験者実験の再現解析を行い,筋骨格モデルの妥当性を検証している. (3) 過去に開発した乗員マルチボディモデルに筋肉モデルを新たに取り付け,アクティブ乗員モデルを構築した.また,このアクティブ乗員モデルによる事故再現解析が実施できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり,三次元姿勢推定手法の推定精度を検証し,多数のドライブレコーダ映像を解析することができた.また,自動車シート座位時における筋活動と運転姿勢との関係を取得することができた.以上より,平成28年度に予定される数値解析のために必要な運転姿勢データと筋電図データの準備ができた.
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Strategy for Future Research Activity |
筋骨格モデルの妥当性が確認された後,様々な運転姿勢や能動的動作における筋活動の解析を行う予定である.また,被験者実験との比較によりアクティブ乗員モデルの妥当性検証を行い,事故再現解析を実施することにより頚部傷害リスクに及ぼす運転姿勢や筋活動の影響を検討する予定である.
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Causes of Carryover |
3月中に納品された物品が4月支払いになったことから残額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の支払いのために28年度において執行する.
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Research Products
(4 results)