2016 Fiscal Year Research-status Report
工具カタログデータマイニングシステムによる難削材加工技術の最適化手法の開発
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15K17952
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
児玉 紘幸 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (60743755)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小径エンドミル / 難削材料 / データマイニング / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに構築した,難削材料加工に対する非階層・階層型クラスタリング手法を併用したデータマイニングシステムを応用発展させることによって,小径エンドミルの難削材料加工用切削条件決定支援システムを提案することができた.本提案手法によって,技能者の加工に対する熟練度が特に要求される微細・精密加工において,実用的なエンドミル切削条件の,初期の指針となる切削条件が導出可能となった.特に小径エンドミルの難削材の溝加工切削条件決定において,軸方向切り込み量が工具寿命および表面性状に大きな影響をもち,軸方向の切り込み量を適切に決定することが重要であることが示せた.一方で,本システムにより導出される軸方向切り込み量の値は,工具カタログが推奨する条件と比較して高能率な条件が導出されており,切削加工が現実的に行えない条件の導出がなされるケースもあった.ゆえに,実験的に得られた軸方向切り込み量の推奨値を,本システムの導出過程に組み込めるようなフィードバックプロセスを考慮したモデルを考える必要があることがわかった.また,本システムの有効性を検証するための切削実験を行った結果,非熟練技能者にとって本システムを使用することにより,推奨切削条件の不明な被削材に対応した切削条件が迅速に導出可能であることが示せた.本研究の成果は,アメリカ機械学会およびヨーロッパ精密工学会の主催する2件の国際学会にてそれぞれ発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案した難削材加工用のデータマイニング手法を,小径エンドミルを用いた微細加工の分野に応用発展することができた.一方で,システムをより良くしていくための改善点を明らかにすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
導出された切削条件から,現場にニーズに適合した切削条件へ発展させるための指標を示したい.すなわち,データマイニングによって導出された条件が示す工学的な知見を,各種の切削実験を用いて加工学の観点から多角的に評価することにより明らかにする.具体的には,加工時のエンドミルの振動や発熱,工具に負荷される抵抗などを計測することにより,それぞれの切削条件が有する性能を定量化して示す.
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Causes of Carryover |
導出したシステムの有用性を検証するための実験に使用した切削工具(エンドミル)や被削材を,無償で入手できたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特殊なコーティングが施された切削工具などの購入資金として使用する.投稿論文の投稿料や,英文校正に係る費用としても使用する.
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Research Products
(2 results)