2015 Fiscal Year Research-status Report
低粘度潤滑流体を用いた静圧軸受の高剛性化に関する研究
Project/Area Number |
15K17961
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
宮武 正明 東京理科大学, 工学部, 講師 (70434032)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 流体潤滑軸受 / 静圧軸受 / 剛性 / 高剛性 / 消費動力 / 低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,超精密加工機や測定器に用いられる静圧軸受の作動流体として,水などの低粘度潤滑流体を用いた際の高性能化を実現するための,新規軸受構造の提案および性能検証を実施し,従来の油潤滑軸受に対する有効性を示すことを目的としており, (i) 高負荷容量・高剛性を実現するための多孔質ランド部を設けた軸受構造,(ii) 超高剛性化を実現するための多孔質材を用いた浮動円板型小型・高速 流量制御機構,(iii) 軸受消費動力低減のための新規構造(リセス内循環路)の3点について検討を行っている. 研究実施においては,上記(i),(ii),(ii)について平行して実施しており,(i)に関しては,実施予定内容が完了し,原著論文として近日中に学術雑誌に投稿予定である.(iii)に関しては,従来の軸受と同程度の剛性と負荷容量を維持しつつ,消費動力を低減可能な構造を提案し,その有用性を数値計算により検証した結果,従来の軸受と比較して20%程度の消費動力を削減可能であることが明らかとなった.また,(iii)に関しては,提案する構造の問題点が明らかとなったが,その代替構造の提案と,その基礎評価は完了した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題における実施事項である,(i) 高負荷容量・高剛性を実現するための多孔質ランド部を設けた軸受構造,(ii) 超高剛性化を実現するための多孔質材を用いた浮動円板型小型・高速 流量制御機構,(iii) 軸受消費動力低減のための新規構造(リセス内循環路)に関して,(i)については,実験,数値計算ともに完了し,H28年度中に原著論文として学術雑誌に投稿予定である.(iii)については,数値計算の結果,従来提案していた構造よりも性能を向上させることが可能な軸受構造が判明し,実験装置の設計に先立ち,改良型構造に関して,数値計算を実施した.その結果,新規提案構造は,従来の軸受構造と同等の軸受負荷容量,軸受剛性が得られ,かつ軸受消費動力を20%程度低減可能であることが明らかとなった。また,(ii)については,提案する構造の問題点が明らかとなったが,その代替構造の提案と,その基礎評価は完了しており,おおむね計画通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
前述の(i),(ii),(iii)に関して,(i)については概ね完了しており,H28年度においては,(ii),(iii)に関してH27年度実施事項の問題点抽出と改善案の検討を予定している.また,(iii)に関しては,実験装置の設計・製作をH27年度から後倒しとしたため,H28年度に実施予定である.
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Causes of Carryover |
実施予定事項の中で実験装置の設計と製作をH27年度に予定していたが,数値計算を先に実施となったため,装置の設計と製作を,次年度に実施としたためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,実験装置の製作費として使用予定である.
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