2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17965
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
兵頭 弘晃 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10733115)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | サブクリティカルホップ分岐 / 発展方程式 / 熱音響自励振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱音響自励振動を発生する実験装置を作成した.円形の断面形状を持つストレート管にハニカム構造を持つ細管の束で構成された蓄熱器を挿入した.蓄熱器の両端へ十分な温度差を設けたとき管内の期待が自励振動を開始することを確認した. 今回作成した自励振動系の特徴を明らかにするための実験を行った.様々な細管の半径に対して,自励振動を開始する蓄熱器両端の発振温度差を調べた.温度を徐々に上昇させたときに振動が開始する温度と,温度を徐々に下げたときに振動が停止する温度が異なる場合があることが確認された.またこのようなヒステリシスの有無と大きさは細管の半径に依存していることが明らかとなった.本研究では特にこのようなヒステリシスを示す系に対して注目して,その振る舞いを明らかにすることが目的であったため望むような実験系を用意することができたといえる. 自励振動開始後の振る舞いを表す方程式の導出を試みた.熱音響現象は気体に与える温度差を変化させることで静止状態から定常振動状態へと系の状態が変化する分岐現象と考えることができる.一般に分岐現象を支配する方程式は単純な微分方程式として記述することができるため,本研究ではヒステリシスを示すような熱音響自励振動系の方程式の導出を目指した.管内の振動のエネルギーを測定することでエネルギー保存の関係式より発展方程式を導出することができた.ヒステリシスが現れるような条件の下で実験を行ったところ,不安定点が存在するという特徴があることが明らかになった.よってサブクリティカルホップ分岐を示す系であると考えることができる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度の目的であった,熱音響自励振動系を作成することができた.また,注目する研究対象となるヒステリシス現象を示すような条件を見つけることができた.よって進展状況は順調と思われる.
|
Strategy for Future Research Activity |
この系がサブクリティカルホップ分岐といえるかどうかについての検討が必要である.これまでに得られた発展方程式の形は単純な変化となる場合のみではない傾向が見受けられた.実験の条件や回数を増やしてもこのような傾向が得られるか吟味する,また原因を考察する必要がある. またサブクリティカルホップ分岐であるのであれば,安定状態へ外部から摂動を与えれば振動を開始し,逆に振動状態に摂動を与えて止めることも可能と考えられる.これらの現象が実現できるかどうか検証する.
|
Causes of Carryover |
計測用機器,PC等は購入を検討したが受領額を超えそうであったため,計測機器などは現在保有しているものを使用したためその分の金額差が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
保留していた計測用機器,PC等の購入へあてる.
|
Research Products
(1 results)