2015 Fiscal Year Research-status Report
プラズマによる血液浄化のための蛍光退色現象を活用したラジカル計測法の確立
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15K17966
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上原 聡司 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70742394)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気泡界面挙動 / 細管内放電 / 難分解性物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、蛍光退色現象を活用する手法により液中気泡放電において発生するラジカル拡散反応の計測法を確立することを目的としている。以下に本年度得られた結果を示す。 1. 微小空間における放電現象計測として、細管を用いたキャピラリー放電法を応用し、微小気泡内の放電現象を観察した。細管内に直流電圧を印加すると、細管内を流れる電流により発生するジュール熱により蒸気気泡を生成できる。この時さらに電圧を印加し続けることで、気泡内で放電を発生させ、それに伴い生成したラジカルを溶液に作用させることができる。また、直径の異なる管を接続することにより管内で局所的に電流密度を増加させ、管内の特定の場所に気泡を発生させることに成功した。さらに、ハイスピードカメラを用いた計測により、気泡内の放電現象を捉えた。これにより、ラジカル作用を詳細に計測するための実験系が確立された。 2. 放電時の電流電圧波形の電気的計測およびハイスピードカメラを用いた可視化計測を同時に行うことで、両者の対応を明らかにした。これにより、電気的計測を行うことで、気泡挙動を伴なう現象の中から、放電に関する情報を抽出することが可能になった。 3. 放電で生成したラジカルの拡散特性を明らかにするために、吸収分光計測により難分解性物質の指標であるMethylenblueの分解計測を行った。管径を変更した計測により、Methylenblueの分解効率が変化することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
キャピラリー放電を用いた管内放電現象について、放電特性だけでなく、それに伴う気泡挙動を同時観察することに成功した。特に、ハイスピードカメラを用いた計測により、放電の状態と気泡界面の挙動が詳細に捉えられ、その関連性を詳細に明らかにするための実験系が確立された。
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Strategy for Future Research Activity |
気泡内で生成したラジカルの作用をミクロなレベルで明らかにするため、導入したデジタルCMOSカメラを用い、蛍光粒子を用いた放電および流動計測を行う。本カメラを用いることにより、気泡界面近傍に着目した計測が可能になる。さらに、電流電圧波形の同時計測により、放電との関連性を明らかにする。今年度までに、電流電圧波形から、放電の情報を抽出できることが分かったので、ミクロなレベルでの同時計測により、デバイス応用のために有益なラジカルの作用と放電および気泡界面挙動の関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
予定よりも少ない量の消耗品により条件出しが完了したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
デバイス応用に有益な最適データの導出のために、管形状を変更した実験も行うための消耗品購入に使用予定である。
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