2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K17970
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 博貴 山口大学, 理工学研究科, 助教 (10626873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 流体工学 / 乱流 / 風車 / 壁面乱流 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,当該年度当初は数値解析システムの開発を実施した.この数値解析システムは,当研究課題に適するよう特注品として導入された数値解析ワークステーションを中心としている.この開発した数値解析システムでもって研究課題に関係する数値解析コードの検証を行った.この解析コードは,流れ場をモデル化せずに解析するおよび計算コスト低減のためにモデル化して解析するように開発されている.この検証解析を行う中で,粘性項の発散の誤差や運動エネルギの誤差をいかに抑制するかが解析精度維持に影響することが判明した.そこで,これの誤差の影響を,支配方程式の解析解がもちいられることで,詳細にかつ厳密に調べた.たとえば粘性項の発散の誤差は,流れ場の平衡特性に大きく影響し,また非現実的な高調波を生じさせたりエネルギ減衰をはやめてしまうなどが判明した.加えて,これらの誤差が十分に抑制されたコードとなるようにすることで,当研究課題の独創性が高められた.これらを踏まえて,数値解析システムでもって数値解析が実行されている.加えて,主流乱れの設定方法についても進展がみられる.当該年度においては,主流乱れとして設定されうる流れ場の解析解のセットを複数開発した.このセットは,流れ場の古典的な解析解の組み合わせで構成されており,構成方法を変えることで,異方性を任意に設定できるもの,等方性を維持して内部流れ場構造が変えられるもの,異方性もしくは等方性を維持して多重性を有する物などが得られた.さらに,圧力勾配の観点においても研究進展が見られた.圧力勾配が流れ場に及ぼす影響をクロージャ性を有する連立方程式でもって調べられた.これにより,圧力勾配はエネルギ減衰を早めることおよび乱れの時間スケールや長さスケールを変化させることが判明した.これらの結果は近似解としてえられており,定量的にだけではなく数理的に考察された進展がみられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画にある,数値解析システムの開発および当数値解析の精度,および関係する数値解析が進められている.主流乱れおよび圧力勾配に関する検討も進められた.これらより,当研究課題の進展に問題はなくおおむね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画にしたがって,本研究課題を推進し,また前述の研究実績をもとに課題を推進する方針である.得られた成果については,国内外に向けて適切な手段で公表を進めていく方策である.
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Causes of Carryover |
主な理由は次のとおりである:成果発表先が近傍地であったため,および成果発表が和文において主に行われたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費については数値解析消耗品等に,旅費については成果発表等に,謝金等およびその他については英文校正費等および論文掲載費等に使用する計画である.
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