2015 Fiscal Year Research-status Report
化学発光分光法による乱流予混合火炎の燃焼診断手法の確立
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15K17988
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 英樹 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80383488)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 燃焼 / 化学発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,乱流予混合火炎におけるOH, CH, C2などの中間生成物からの化学発光を計測し,局所的な火炎温度や燃料と酸化剤の混合比等を計測する手法の確立を目的とする.そこで,平成27年度は①化学発光信号と計測点を通過する火炎の角度や速度,また火炎の曲率といった乱流予混合火炎で考慮すべき因子との関係の調査および②一つで複数の位置からの化学発光が計測可能なカセグレン光学系の開発の二つの研究課題に取り組んだ.各課題の詳細は以下の通りである. ①化学発光信号と計測点を通過する火炎の角度や速度,また火炎の曲率といった乱流予混合火炎で考慮すべき因子との関係の調査では,まず矩形ノズルバーナ上に形成される二次元性の良い平面火炎がカセグレン光学系の計測点を通過する(実際には定在する火炎に対してカセグレン光学系を移動させる)際の角度を変化させ,その際に得られる化学発光信号の時間履歴を詳細に調べた.次に円管ノズルバーナ上に形成される火炎を対象に火炎の曲率を変化させた際に得られる信号の時間履歴を詳細に調べた.これらの実験結果より,化学発光信号と計測点を通過する火炎の角度や速度,また火炎の曲率といった乱流予混合火炎で考慮すべき因子との関係を明らかにした. ②一つで複数の位置からの化学発光が計測可能なカセグレン光学系の開発では,複数のコアを有するバンドルファイバを用いたカセグレン光学系の開発を行った.バンドルファイバの端面に3つのコアを有する光ファイバを用いることで,同一平面上の3点からの化学発光を計測することを可能にし,別のカセグレン光学によりさらに1点の計測を行うことで,近接する4点からの化学発行を同時に計測できるシステムの開発を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は,研究実績の概要で述べた通り,当初の予定していた通りの研究を遂行することができた.また,乱流予混合火炎で考慮すべき因子の一つである火炎伸張に関しても,化学発光とひずみ率の関係を明らかにすることができ,乱流予混合火炎の燃焼診断に向けた基礎的なデータを十分に蓄積することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度において開発した多点計測システムを用いて,まず層流予混合火炎の実験を行い,その性能の評価を行う.具体的には,計測点を通過する火炎の角度や速度,また火炎の曲率を変化させ,多点から得られた化学発光信号より,それらが正確に解析可能であるかを確認する. 次に,本件研究で提案する手法を実際に乱流予混合火炎に使用し,局所的な火炎温度や燃料と酸化剤の混合比等を計測する手法の確立する.なお,4点の計測点のうち,バンドルファイバを使用したカセグレン光学系で集光される3点の計測点については,分光に必要な光電子増倍管や光学フィルター等の掛かるコストを削減するために,一つの化学種のみを計測することとし,残り1点の計測では,4つの化学種の発光を計測する.このような手法を用いても,火炎の三次元的な挙動を計測しつつ,局所的な火炎温度や燃料と酸化剤の混合比を計測できると考えられる.
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Research Products
(1 results)