2015 Fiscal Year Research-status Report
チューブポンプの脈動モデルの構築と繰返し制御理論に基づく脈動抑制制御
Project/Area Number |
15K18013
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 健一 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (70553600)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | チューブポンプ / 脈動抑制 / モデリング / 繰返し制御 / 実機検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
チューブをいくつかのローラによって押しつぶすことにより,その中の液体を移送させるチューブポンプは,その構造上,ローラがチューブから離脱する際にチューブの復元に伴う流量低下や逆流を引き起こす.本研究では,このポンプの脈動モデルを構築し,そのモデルに基づいてローラを非等速に動かすことで,このポンプの無脈動化を実現することを目的としている.
平成27年度は,このうちU字型チューブポンプを対象に,その脈動モデルを構築し,実機を用いた検証を行った.ローラがチューブから離脱する際のチューブの復元に伴う流量の減少量と,他のローラにより押し出される流量との合算がポンプから吐出される流量になるため,連続の式に基づき,脈動を抑えるためのローラの動かし方を理論的に導出した.この結果,やはり無脈動化のためには本質的にそれぞれのローラを非等速に動かす必要があり,それらを独立のモータで制御できる実機を製作した.繰返し制御を用いてこのローラの非等速運動を再現し,その脈動を計測,通常のポンプと比較して,その有効性を確認した. 一方で,この非等速運動は各ローラに対応するモータによって必ずしも実現する必要は無く,非円形歯車を利用すれば1つのモータで各ローラの非等速運動を実現できる.このことから,その設計理論に基づき非円形歯車を製作し,この効果についても検証した.各ローラを各モータで動かした場合と同様の結果を得ることが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
概ね研究の見通しが立っていたため.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに行った内容・得られた成果は,いわばチューブポンプの脈動がなくなるように各ローラを理論通りに動かしたことによって脈動の低減化が達成できたというものであり,例えばチューブが劣化したり,モデリングの過程において仮定した条件が崩れた場合には,やはり脈動が発生してしまう.そのため今後は,流量情報がフィードバックできる場合にはどのように各ローラを動かす事が最適か,といった考察を行う必要がある.多入力1出力系としてポンプをモデリングし直し,協調制御等の制御理論の観点からのアプローチを試みる.
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Causes of Carryover |
当初,遠方の国際会議への参加を想定して旅費を見積もっていたが,今年度は本国周辺国にて開催がなされたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進度が概ね順調であるため,投稿論文費等に当てたい.
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Research Products
(4 results)