2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K18014
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
原 雄介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 機能化学研究部門, 主任研究員 (90452135)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソフトアクチュエータ / 低電圧 / 変位 / マイクロチップ / マニュピュレータ / バルブ / ポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子アクチュエータは軽量・柔軟・成形加工性の高さを有しており、有機材料で構成されているため金属疲労が発生せず、無音・無発熱で駆動することを特徴としている。高分子素材の柔軟性から、電磁モーターやギヤからなるアクチュエータと比較して、非常に柔らかい動きを簡単に作り出すことができる。また高分子アクチュエータはマクロなアクチュエータの開発に成功すれば、微細化しても同様の働きが得られることが保障されている。微細化が可能な特徴を活かせば、マイクロ空間で駆動制御が可能なマイクロアクチュエータへと発展させることが可能である。本申請では高分子アクチュエータのマイクロアクチュエータ利用を目指して、低電圧で駆動する非常に薄い形状をしたペーパーアクチュエータの開発を行っている。このようなアクチュエータを開発するため、本研究課題ではフレキシビリティを有し、薄膜化が可能なPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルホン酸)を電場応答性高分子アクチュエータの電極材料として採用した。また、電圧印加による内部イオンの移動によってアクチュエータ駆動させるため、電気二重層キャパシタの絶縁体として非導電性の水溶性高分子を採用した。このような柔らかい材料からペーパーアクチュエータを作製することにより、素子全体のフレキシビリティを確保した高分子アクチュエータの開発が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高導電性を有し薄膜化が可能な導電性高分子PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルホン酸)の水溶液から薄膜を作製することを検討した。PEDOT/PSS水分散溶液に少量の界面活性剤を加えることで、水溶液が薄くキャスト可能であることを確認した。薄くキャストされたPEDOT/PSS水溶液は加熱処理することにより、数十マイクロメートルの厚みをもつ薄膜を作製可能であることを確認した。PEDOT/PSS薄膜に非導電性の高分子溶液を塗布することにより、電気二重層キャパシタタイプのアクチュエータが作製できた。絶縁層の塗布には、スピンコーターを用いることで薄膜が可能であり、素子全体の厚みを抑えることができた。このような方法で作製されたペーパーアクチュエータは、1.5V以下の電圧で駆動可能であった。ペーパーアクチュエータは素子が柔らかいため、簡単に任意の形に切り出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
PEDOT/PSS薄膜を電極として採用した電気二重層型のペーパーアクチュエータは、内部にあるイオンが電圧印加によって動くため屈曲運動を起こしていると考えられる。現状では水溶媒が電圧印加によるジュール熱によって駆動中に蒸発するため、駆動耐久性が低い。水の蒸発を防ぐ膜などを導入することなどによって、今後は駆動耐久性の向上を目指したい。また、PEDOT/PSS薄膜の膜厚や絶縁層となる高分子の最適化を図ることで、より低電圧で大きく駆動させることが可能なペーパーアクチュエーターの作製を検討する。さらに、レーザー加工機等を用いることでアクチュエータを微細化することで、マイクロ空間で活躍するバルブやアクチュエータ等として応用可能か検討を行う。
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Research Products
(2 results)