2016 Fiscal Year Annual Research Report
Large capacity processing aimed for industrial applications of PFOS treatment
Project/Area Number |
15K18023
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
王 斗艶 熊本大学, パルスパワー科学研究所, 准教授 (30508651)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放電プラズマ / パルスパワー / ナノ秒放電 / 難分解性有機化合物 / 大容量水処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、パルス電圧持続時間5ns、電圧立ち上がりおよび立下り時間2nsを有する「ナノ秒パルス放電」により生成されたプラズマを用いて、難分解性有機化合物であるPFOSを含む水処理を大容量にて実施するものである。 平成28年度は、それまで使用していた同軸円筒型電極に改良を加えて、円筒状接地電極をテーパ状とすることで、放電進展に伴う高電圧電極付近におけるエネルギー低下を改善し、放電プラズマと処理溶液の反応効率向上を目指した。その結果、放電空間を酸素ガス閉じ込め方式としたために、活性酸素種を生成するための反応ガスを十分に得られず、処理効率の向上には至らなかった。そこで、代替策として、同軸円筒型電極の並列化(3本並列接続)を図った結果、同じ処理率においては、処理効率約1.5倍、処理速度約3倍という優れた性能を達成でき、目的としていた処理容量の向上を実現した。これは、電極を並列化したことにより負荷インピーダンスが低下し、その結果電源側の特性インピーダンスに近き、電源と負荷の整合性が増したためである。なお、実験結果より算出した処理能力は、約4L/hとなる。 放電処理後の難分解性有機化合物水溶液の評価として、これまで全有機体炭素系(TOC)を用いて、有機炭素の残存量を測定することにより評価していたが、本年度は、イオンクロマトグラフを用いた評価へ切り替えることで、実際にPFOSの分解を確認できた。 また、処理溶液の供給方法の改善策として、液の流量に最適値があり、それを下回る流量では電極中心部に放電が集中し、電極空間内における注入エネルギー分配のバランスが崩れることを確認した。本処理システムにおける最適値は、2.5L/minであった。
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