2015 Fiscal Year Research-status Report
エネルギーデバイスの交流インピーダンス診断機能をもつDC-DCコンバータの開発
Project/Area Number |
15K18027
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
片山 昇 東京理科大学, 理工学部, 助教 (00609373)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 交流インピーダンス / 燃料電池 / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は(a) 交流インピーダンス測定の測定精度の向上の検討と(b) 時間変化するインピーダンスの測定の検討までを行った。 (a) 提案手法では,同時に複数の周波数でのインピーダンスを測定するために,異なる周波数をもつ複数の正弦波を重ねあわせた印加波形を用いている。この印加波形はあらかじめ演算しておき,回路を制御をするマイクロコントローラのメモリ内にあらかじめ格納しておく。本研究では,印加波形のサンプル数をこれまでよりも増加させることで,インピーダンスの測定精度の向上が確認できた。 (b) 時間変化するインピーダンスの測定については,固体高分子形燃料電池(PEFC)に応用する際に求められる。(PEFC)は湿度や温度,ガス流量などで固体高分子膜の含水量が数秒単位で変化し,オーミックな抵抗に影響する。これに伴い発電性能が変化するため,これを検知する必要がある。本研究ではウェーブレット変換を導入し,時間変化するインピーダンスの取得,および短時間フーリエ変換を適応した場合と比較した。その結果,数値シミュレーション,模擬的な時間変化するインピーダンスを用いた場合,両方でウェーブレット変換の効果が確認でき,特に低周波域では顕著な差が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は(a) 交流インピーダンス測定の測定精度の向上の検討と(b) 時間変化するインピーダンスの測定 の2項目について検討する予定であったが,(a)についてはまだ改善の余地がある。この項目については平成28年度に引き続き実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
(c) 様々なトポロジーの DC-DC コンバータへの適応 これまでは昇圧チョッパのみによる検討であったが,様々なトポロジーを比較・評価する。この研究においてはDC-DC コンバータの各機能をモジュール化することで研究の効率化を図る。 代表的なトポロジーの回路の試作する。現在のところ,非絶縁型・絶縁型それぞれ数種類制作し,それぞれ本技術が適用可能であるか確認するとともに,性能を比較・評価する。評価項目は交流インピーダンスの周波数帯ごとの誤差や,測定時の安定性などを予定している。 (d) 大容量の DC-DC コンバータを用いた実証試験 DC-DC コンバータの容量を拡大し,これまでにで得られた成果を導入して燃料電池や太陽電池を例として実証試験を行う。定格は 1 kW を目標とする。燃料電池に関しては,すでに定格1.2 kWの固体高分子形燃料電池を所持しており,これを用いて動作検証を行う。太陽電池についてはモジュールを数枚直列接続してストリングとして検証する。さらに電圧センシングを個別に行うことで,各セルのそれぞれのインピーダンスの測定を実 現する。時間に余裕があれば,他の適用可能なエネルギーデバイスの可能性を探る。最後に得られた成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
項目(a)交流インピーダンスの精度向上の検討で若干の計画遅れがあったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
項目(a)交流インピーダンスの精度向上の検討を平成28年度に持ち越して実施する。
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