2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of low-defect high-purity and single-chirality carbon nanotube device
Project/Area Number |
15K18039
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
清水 麻希 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 助教 (80748690)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / カイラリティ / 再成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は溶液中でカイラリティ分離した単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を核として気相化学成長法(CVD法)で成長し同じカイラリティのSWCNTを複製(クローニング)する技術を開発し、デバイス作製を行うことである。本研究の核となるのはクローニングの技術であるが、前年度の研究で、種(Seed)となるCNTを基板上に散布した基板でCVDの条件だしを行いかなりの密度でCNTが成長する条件を見出した。その一方で、原子間力顕微鏡(AFM)等によりSeedとは明らかに太さの異なるものが成長していることが確認されていた。今年度はこの現象がクローニングによるものであるか確認するために、基板にTiで微細なアドレスパターンをパターニングし、その上にSeedを散布することによりCVD前のSeedの位置が確認できるようにして、CVD前後の基板の様子をAFMにより観察した。その結果、CVD前の基板にはCNT Seed以外にもたくさんの不純物がふくまれており、これらの不純物からも成長していることがわかった。不純物は、SeedとしているCNT自体を成長する際にできたものが混入していると考えられる。不純物から成長したCNTは太いものが多く観測された。一方CVD前にSeedがある位置からCNTが伸びているものも観測された。これがクローニングによるものである可能性もある。しかし、Seedの先端に触媒等の不純物がない証明に至っていない。また、カイラリティ保存に関しても、違うカイラリティのものの成長が多くみられ、これらも不純物によるものと区別がついていない。 本研究により、CNTのクローニングについて様々な分析装置、手段をを用いて評価を行いクローニングの可能性と、その証明の難しさについて明らかになった。
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