2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K18050
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
赤井 大輔 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 助教 (50378246)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | pMUT / 圧電薄膜 / 超音波トランスデューサ / 振動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波診断装置(エコー)は、2 次元断層像を非侵襲かつリアルタイムで取得できる医療診断技術である。近年、循環器系疾患の早期発見、治療のために内視鏡による血管内の超音波診断の需要が高まっている。本提案では、微細加工に適したLSI 用Si 基板上にガンマアルミナ薄膜結晶をバッファ層として用い圧電材料であるPZT 薄膜による超小型超音波3 次元イメージング用プローブチップによる超音波指向性制御を実現する。
27 年度は超音波ビーム形成に向けた振動子の配置レイアウトの検討を行う。様々なレイアウトにおける超音波ビーム形成の様子をシミュレーションにより解析し、その結果を元にチップを製作し実際に形成される超音波ビームを観察しシミュレーションとの比較から最適な振動子配置を導く。内視鏡用途を念頭にチップ前方5mm 地点で直径1mm 以下のビーム形成を目標とした。
これまでリニアアレイにて行っていた解析を同心円状に配置した2次元アレイ(アニュラーアレイ)へ拡張し解析を行った。解析には直径100umのマイクロ超音波振動子を1個から207個用いたアレイを設計し、振動子個数の違いによる音圧分布の様子を確認した。配置した振動子の個数に応じて、音圧が向上し素子数57個以下においてチップ前方5mm地点で直径1mm程度に超音波が収束される様子が見られた。このときの音圧は、振動子1個の場合の約20倍であり、送信用振動子として十分な値が得られた。これにより、アニュラーアレイによる超音波ビーム指向性制御が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた、超音波ビーム形成に向けた振動子の配置レイアウトの検討を行った。様々なレイアウトにおける超音波ビーム形成の様子をシミュレーションにより解析し、アニュラーアレイにより予定の性能が得られることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた振動子配置レイアウトを元に、超音波ビーム指向性制御の検討を行う。主に印加信号の位相差および振幅制御により実現する予定である。これら印加信号の制御については、複数の信号源を用いた初期検討を行った後、電子回路の組み込みによる制御を行う予定である。チップ前方5mm で直径1cm(チップサイズと同等)以上の領域をカバーできる指向性制御を目標とする。 また、並行して振動子性能の改善を目的に素子構造の検討と製造プロセスの改善を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品購入および旅費について別予算での手当ができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度末から一部機器に不調が生じているため、修理部品購入等に充当する。
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