2016 Fiscal Year Research-status Report
ホワイトスペース帯無線LANシステムを高能率に実現する信号処理技術に関する研究
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15K18064
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水谷 圭一 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40638847)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ホワイトスペース / 5G / OFDM / 時間軸窓 / 帯域外輻射抑圧 / 周波数利用効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
無線通信の爆発的な需要拡大に伴ってますます無線周波数資源が逼迫している現在,無線周波数資源を高効率に利活用するホワイトスペース無線システムの実現が期待されている.特に現在は第5世代移動通信システム(5G)の研究開発が国際的に活発化しており,超高効率な周波数利用効率の実現を目指す5Gにおいて,ホワイトスペース無線システム技術が活用されることが期待されている.本研究ではホワイトスペース無線システムを志向した,周波数利用効率を改善するための,低い帯域外輻射特性を持つ新しい信号波形の開発に取り組み,平成28年度は,前年度に引き続き周波数利用効率を劣化させる要因となる帯域外輻射電力を抑圧できる信号生成手法の研究開発に取り組んだ.平成28年度の研究成果について,国内学会6件,査読付き国際会議論文1件の発表実績がある.
前年度は,大きな帯域外輻射電力抑圧効果を得ることが可能な,ユニバーサル時間軸窓直交周波数分割多重(Universal Time-domain Windowed OFDM; UTW-OFDM)を提案した.本年度はさらに端末の消費電力削減を目的として,LTEのアップリンクなどでも採用されているDFT拡散OFDM方式にも,UTW処理を拡張し,UTW-DFT拡散OFDM方式を提案した.さらに,提案したUTW-OFDM方式およびUTW-DFT拡散OFDM方式について,実機実装を志向した実装用方式をそれぞれ提案した.実装用方式では,さらに計算量を削減し,従来方式との親和性をさらに高めることで実装の容易性を向上した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度研究実施計画にあげた,実信号による実験実証を実現するために,提案UTW-OFDM方式の実装用方式を開発した.また,端末への実装を考慮した場合に問題となる高いピーク電力の影響を考慮して,LTEアップリンクなどで採用されているDFT拡散OFDM方式にも,UTW処理を拡張し,UTW-DFT拡散OFDM方式を提案し,同じく実装用方式を開発した.また,これらの実信号解析について計測器系を用いた評価プラットフォームを構築し,帯域外輻射が抑圧可能であることを実験的に確認した.平成29年度に向けてデモシステムの構築およびシステム評価プラットフォームの整備に着手している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度および28年度の検討結果を踏まえ,ソフトウェア無線開発プラットフォームへの提案アーキテクチャの機能実装を行い,実用化に向けたデモンストレーションシステムの構築を目指す.
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Research Products
(7 results)