2017 Fiscal Year Annual Research Report
Transformation-based boundary controller design for distributed-parameter systems in a coupled form
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15K18085
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
椿野 大輔 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00612813)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 制御理論 / 分布定数系 / 状態変換 / 偏微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(平成29年度)に取り組んだ課題は、昨年度考察した波動方程式の境界安定化からの延長線上にある2次元領域上での波動方程式の境界安定化である。対象とした2次元領域は、主にスロッシング(液面揺動)制御への応用を意図した矩形領域と膜構造物への応用を意図した円環領域である。 容器内の液面揺動であるスロッシングの運動モデルは、静的な方程式と境界条件に現れる動的な方程式の連立方程式からなる。3次元矩形容器を対象とし、近似的に2次元波動方程式で表現することで、状態変換を用いた境界制御器設計を試みた。2次元矩形領域上の波動方程式を一つの方向にのみモード展開し、複数の1次元領域上の波動方程式に分解する。これより、原理的には1次元領域上の場合に得られている結果を用いて制御器設計が可能となることを示した。しかしながら、1次元領域上の場合と異なり、フィードバックゲインを得るために解くべき方程式について、一つのモードを除いて陽な解を導くことができず課題が残った。 膜形状の構造物は軽量で大きな面積を確保できる利点をもつ構造物であるが、その振動が問題なる。そのような膜構造体のうち円環形状のものへの応用を目指し、2次元の円環領域上の波動方程式の境界安定化についても考察を行った。極座標により波動方程式を表し、矩形領域の場合と同様に円周方向のみにモード展開を行うことで、得られる複数の1次元領域上の方程式に対して状態変換を用いた境界制御器の設計が行えることを示した。なお、円周0次モードのみに注目した場合の結果を第18計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI2017) において発表を行い、優秀講演賞を受賞した。
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