2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of hazard map concerning Thaumasite form caused by sulfate attack in Japan based on material science
Project/Area Number |
15K18099
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮本 慎太郎 東北大学, 工学研究科, 助教 (60709723)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タウマサイト / 硫酸塩劣化 / カルサイト / ドロマイト |
Outline of Annual Research Achievements |
セメントの一部を石灰石粉末で置換したセメント硬化体はエトリンガイトが析出するような劣化環境においては耐硫酸塩性が向上するが,タウマサイト生成硫酸塩劣化(TSA)と呼ばれる劣化現象が引き起こされる可能性がある.タウマサイトの生成にはシリケートイオン,硫酸イオン,炭酸イオン,水の供給が必要で,かつ低温環境でシリカが高配位を取りやすいことから,低温環境においてタウマサイトは析出しやすいと考えられている.これらの条件が揃えばTSAによりコンクリート構造物にタウマサイトが析出し,構造物の劣化が助長される可能性がある.そこで本研究では,TSA発生リスクの検討を行うため,セメントペースト供試体の浸せき実験および合成C-S-Hを用いた撹拌実験を行った.着眼点はセメントに混合する炭酸カルシウムの種類であり,本研究ではカルサイト試薬の他,マグネシウムを含むドロマイトを使用して実験を行った. その結果,1年間の浸せき試験の結果からは,混合材としてカルサイトを使用した実験系とドロマイトを使用した実験系の両方で低温環境においてタウマサイトが析出したが,析出量はドロマイトを使用したものの方が多い傾向にあった.また,混合材としてドロマイトを使用したものについては,常温環境においてもタウマサイトが微量析出している可能性があることが確認できた.さらには,合成C-S-Hを用いた撹拌試験の結果においても,ドロマイトを添加したものでタウマサイトの析出が顕著であったが,既往の研究等でも報告されている通り,アルミネートを添加していない実験系ではタウマサイトは析出しなかった.
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Research Products
(3 results)