2015 Fiscal Year Research-status Report
材料分離の影響を受けた表層コンクリートの耐久性能推定手法に関する研究
Project/Area Number |
15K18100
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
河合 慶有 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (90725631)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 材料分離 / 表層透気性 / 耐久性能 / 鋼材腐食 / 酸素透過速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,打設高さに起因する材料分離がコンクリート中の中性化・塩分浸透,腐食形態・速度に及ぼす影響を把握することである。本年度の検討では,密度の大きい銅スラグ細骨材やブリーディングに対して抑制効果のあるフライアッシュを使用した打設高さ1.5mの供試体を作製し,埋設鉄筋を含む切り出し供試体(底面より250,750,1250mm)を用いて促進中性化試験,および乾湿繰り返しによる塩害促進試験を実施している。上・下に分割された水平鉄筋それぞれに発生した腐食電流密度とカソード分極試験から推定される酸素透過速度の関係を整理し,酸素透過速度が大きくなるほど腐食速度は大きくなる正の相関が確認されている。今後は,長期的な腐食性状を把握するため引き続き測定を実施し,鉄筋腐食抵抗性低下の要因となる鉄筋周囲における欠陥の形成や塩分濃度分布,pHの低下について検討を行う。また,ブリーディングの影響を受けた表層コンクリートの透気係数-含水率の関係を把握し,特に供試体上部では表層透気性の増大傾向が確認されている。これらの結果を踏まえて,ブリーディング水による表層コンクリートの多孔質化および水平鉄筋周囲における欠陥の形成が劣化進行速度(中性化,塩分浸透,全腐食速度,酸素透過速度)に与える影響について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,(1)ブリーディングの影響を受けた表層コンクリートの空隙構造及び物質移動を把握すること,(2)含水率を考慮した表層コンクリートの透気性と多段配筋された鉄筋へのカソード分極特性(酸素透過量),および腐食速度の関係を把握し,最終的には(3)透気係数ー含水率の関係から中性化・塩害に対する耐久性能を推定する手法を鋼材腐食劣化を含めた耐久性能推定手法へ拡張することである。今年度は,主に(1)および(2)に関する実験的検討を終え,解析的検討に着手しており概ね当初の予定通り進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の検討では,目的(1)に関して,X線CT画像により取得した空隙構造モデルを用いて,有効拡散性や等価透気係数の評価を行う。目的(2)に関しては,長期的な測定を通じて腐食性状の把握,また埋設鉄筋およびその周囲を形成する領域において化学分析を実施し鉄筋腐食抵抗性の低下に影響を与える要因を把握する。上記(1),(2)の検討結果を踏まえて,含水率の低下を考慮した表層透気性から,中性化または乾湿繰り返しによる塩害により発生した鋼材腐食の速度および形態を律速条件ごとに検討する。これらの結果に基づいて,材齢初期の表層透気性から腐食劣化を含めた耐久性能を推定する手法を検討する。
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Causes of Carryover |
X線CT画像を用いてセメント硬化体の空隙構造を把握するための試料の採取を材齢180日経過後に行うこととし,実験の進捗状況を考慮してH28年度に変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
X線CT画像撮影費用として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)