2016 Fiscal Year Annual Research Report
An Experimental and Numerical Study on Evaluation of Shear Properties of Rubber Bearings under Tensile Force
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15K18107
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
チェ ジュンホ 九州大学, 工学研究院, 助教 (30600134)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゴム支承 / 引張せん断特性 / 繰り返し載荷実験 / FE解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ゴム支承の引張せん断特性を実験により明らかにすることを目的としており,積層ゴム支承(RB)を対象に軸応力をパラメータとした繰り返しせん断載荷実験とFE解析を実施した。 軸応力を変化させた実験では,せん断ひずみ175%載荷までは軸応力の変化による影響がみられなかったが,せん断ひずみ250%,300%載荷では,荷重変位履歴や等価剛性,等価減衰定数に変化が現れ,軸応力変化によってゴム支承のせん断特性が変化することが明らかとなった。特にゴム支承が引張応力を受ける場合には,せん断ひずみが大きくなるにつれてゴム間の分子の結合が切れやすくなるため,内部鋼板の変状とともに耐力や減衰能力が低下することがわかった。しかし,形状係数を小さくした供試体を用いた実験では,引張を受けながらせん断ひずみが大きくなってもゴム支承の変状や耐力の変化がみられておらず,圧縮時のゴム支承と同等なせん断特性を有することがわかった。また,3次元FE解析による検討では,せん断ひずみの変化によってゴム支承の内部応力が大きく変化していくことがわかった。特に軸応力として引張応力を受ける場合には,せん断ひずみが大きくなるにつれて引張応力が増大していくことが確認されており,地震時ゴム支承が引張せん断を受けると上下層の端部において引張応力が厳しく作用する可能性がある。 2016年に発生した熊本地震では多くのゴム支承が被害を受けているが,断層破壊による大きな地盤変状や強い鉛直地震動によりゴム支承に強い引張力が作用していた可能性も高いと考えられる。本研究により得られた知見は,こうした近年発生した地震被災の原因推定に大いに活用されるものと考えられる。また,ゴム支承の設計基準において,これまで規定されていなかった引張せん断特性について改定されると思われるが,本研究の成果はその参考資料として活用されようとしている。
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Research Products
(6 results)