2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and verification of numerical model for dike breaching using 3D multi-phase flow model
| Project/Area Number |
15K18122
|
|---|
| Research Institution | Kyoto University |
|---|
Principal Investigator |
音田 慎一郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50402970)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 破堤 / 予測モデル |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
近年，局地的集中豪雨に伴う水災害・土砂災害によって河川堤防の破堤が生じており，人口と資産が集中する堤内地に甚大な被害をもたらしている．こうした被害を低減するためには，出水時における表面越流，及び堤体中の浸透流場の時間変化を精度よく予測するとともに，越流に伴う表面侵食や水が浸透することにより土の有効応力が減少し，変形・破壊に至るメカニズムを再現して対策を考えることが必要である．
そこで本研究では，水面変動の時間発展を追跡するため，密度関数法を用いるとともに，計算格子において水域・堤体内とその境界面を容易に表現し，表面流，浸透流場を同時に予測できるポーラスメディア法を適用することで，表面流と堤体内の浸透流を３次元的に取り扱うことのできる３次元固気液混相流モデルを開発した．まず，流れのモデルを堤体周辺の単純な流れ場などに適用し，モデルの妥当性を検証した．
次に，砂の弾塑性構成式を基本とし，土の大変形解析に有利な粒子法の一種であるＧＩＭＰ法と上記の流れのモデルを連成させ，堤防の浸透破壊に関する数値解析を行った．堤体内の間隙水圧が上昇し，土の有効応力が減少することによって地盤の変形が始まり，裏法面から堤体が破壊していく様子を定性的に再現できることを示した．
さらに，３次元固気液混相流モデルの有用性を示すため，流れ解析モデルを用い，階段式魚道型水路における水面波発生の数値解析を行った．流量が小さい場合には水路横断方向にねじれを伴った２次元的な波が発生し，流量が大きい場合には明確な２次元波は確認できないという実験結果の特徴を再現できることを示した．
|
