2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K18126
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
井上 卓也 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員(移行) (20647094)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 岩盤河川 / 側方侵食 / 実験 / 数値解析 / 地形 |
Outline of Annual Research Achievements |
①実験 1年目の実験で、岩盤河川の側方侵食速度が横断方向の流砂量に依存することが分かったため、2年目の実験ではこの関係の定量化を試みた。実験水路の河床は固定床、側壁を軟らかい侵食性モルタルで構成されており、固定床の横断方向勾配を変化させることで、横断方向の流砂量を調整できるようにした。実験の結果、横断方向の勾配が増加すると(横断方向の流砂量が増加すると)、側壁の侵食速度が増加することを確認した。 ②モデル構築と数値実験 側方侵食を考慮した河床変動計算モデルの構築を行った。この時点では、横断方向の流砂量と側方の侵食速度の定量的な関係がまだ分かっていなかったため、一定の側方侵食速度を与え、これに対する河床形状の応答を調べた。数値実験用の水路は、曲率が一定の単湾曲水路とし、境界条件には周期境界条件を用いた。数値実験の結果、平衡川幅は、流砂量の増加に伴い増加するが、側方侵食速度には依存しないことが分かった。これは、平衡川幅が岩質に依存しないことを示唆している。また、横断方向の河床勾配は、流砂量と側方侵食速度の両方に依存し、流砂量や側方侵食速度が増加すると、緩くなる傾向を示した。このことは、流砂量や側方侵食速度が大きかった時期に、蛇行が進みstrath terrace (岩盤河川の段丘面)が形成されることを意味している。 ③モデルの検証 低強度モルタルで構成されたサインジェネレイトカーブ水路作成し、これに水と土砂を供給し、岩盤河川の疑似蛇行実験を行った。その後、構築した数値解析モデルで実験の再現計算を試み、再現性の検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画の2年目は、1年目の実験を補うための追加実験と、数値解析モデルの構築・検証を予定していたが、2年目の時点で3年目に予定しいた数値実験も実施することができた。また、数値実験結果を海外ジャーナル(Earth Surface Processes and Landforms)に投稿し、発表することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終3年目は、側方侵食モデルの精度向上を目的に追加実験を行う。また数値解析モデルを用いて、岩盤河川の穿入蛇行に関する新たな数値実験を行う予定である。数値実験のテーマは、『穿入蛇行と沖積蛇行で平面形状にどのような違いがあるか?』である。
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Causes of Carryover |
実験水路の改造に必要な経費が当初予定より若干安かったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験資材(モルタル、砂礫)の購入にあてる。
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