2015 Fiscal Year Research-status Report
人口減少時代の治水システムを見据えた洪水共生型の集落システムに関する研究
Project/Area Number |
15K18137
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
二井 昭佳 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (40459011)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 集落の立地特性 / 神社の立地特性 / 治水システム / 洪水氾濫シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,持続可能なまちづくりの観点から,人口減少時代の治水システムとして,人口密度の低い上・中流域で氾濫を許容する治水システムの構築を見据え,洪水共生型の集落システムにかかわる知見を得ることを目指している. そのため27年度は,秋田県雄物川中流域の洪水常襲地帯の集落群を対象に,明治時代の河川実測図や神社明細帳を用いて,前近代における集落と神社の立地について把握した.とくに神社については,資料分析に加え現地調査により,明治の合祀政策以前の神社を把握するとともに,合祀の関係性や合祀後の立地位置の特徴について分析した. これにより,河川との関係から集落の立地は大きく2つに,また神社の立地は大きく3つに分類でき,それらは相関関係があることを把握した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象地における確率年数を変数とする洪水氾濫シミュレーションを実施すべく作業を進めているが,前近代の地形復元の作業に予想以上の時間がかかったことにより,洪水氾濫シミュレーションの構築ができていないことにより進捗が予定よりもやや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,確率年数を変数とする洪水氾濫シミュレーションの構築を進め,その結果と集落及び神社の立地の関係について分析する.あわせて,現地でのヒアリングを実施し,生業及び避難システムなどの洪水対策についても把握する.また,当初予定していた氾濫許容型治水システムに加え,2段階洪水確率年数による堤防システムといった治水整備費用の低減と川とまちの関係性の構築を両立する整備手法に関するドイツ・スイスの先進事例調査を実施する.
|
Causes of Carryover |
洪水氾濫シミュレーションの構築に予想以上の時間を費やしたため,現地調査を実施することができなかったことによる.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)集落での聞き取り調査と資料収集 雄物川中流域の洪水常襲地帯の集落を対象に,生業及び避難システムなどの洪水対策について聞き取り調査を実施すると同時に,継続して集落および神社,河川にかんする資料収集を実施する.以上に加え,収集資料の整理(研究補助者による聞き取り調査のテープ起こしおよびデータ整理)2)ドイツ・スイスの先進事例の調査 氾濫許容型治水システムや2段階洪水確率年数による堤防システムに関する現地調査を実施する.
|