2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on habitat evaluation of molluscan fauna and river improvement technology for environmental conservation in river estuaries
Project/Area Number |
15K18144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
厳島 怜 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 助教 (30737656)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 河川汽水域 / 貝類相 / 物理環境 / ハビタット / 河川改修技術 / 河道特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、九州地方の河口域を対象に生息する貝類相の広域調査を行い,物理環境、河道特性と貝類の生息状況の関係を明らかにし、河口域における環境に配慮した河川改修技術の構築のための提案を行うことを目的とする.現地調査の結果,対象とした70河川で37科82種21,827個体の個体を採捕した.流域指標(河川,波浪及び潮汐のエネルギー)による類型化の結果,対象とした70河川は貝類相の類似度から3つの区分に類型化され,分類結果は潮汐と波浪の2つの外力に特徴づけられた.貝類相の類型化と流域指標の類型化は半数が一致しているが,一致しない河川については他のスケールの物理要因や人為改変の影響を考慮する必要があることが示唆された.また,貝類相と河道特性の単相関分析の結果,グループ毎に貝類相と相関の高い河道特性が異なることから,河川汽水域の保全や改修の際には,物理要因が類似したグループ毎に評価や目標設定を行う必要がある.波浪卓越型の河川では,貝類相が貧弱であるため,貝類相と強い相関がみられた河道特性は少なかった.このグループに属する河川の環境評価を行う際には,他の分類群を含めた評価が必要である.また,河道特性と河川汽水域に出現するハビタット構造の関係を調べた結果,分類群毎にハビタット構造に影響を及ぼす河道特性は異なっており,波浪・河川卓越型は蛇行度,弱波浪型は比高差,潮汐卓越型は川幅水深比がハビタット構造に影響を及ぼす要因であることが明らかとなった.分類群毎にハビタット構造に影響を及ぼす要因が異なることは,河道地形形成を担う外力の種類や河道特性が異なる可能性を示唆しており,河道の保全・修復に際し,当該汽水域のハビタットに影響を及ぼす河道特性や外力要因を考慮することが重要である.
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