2016 Fiscal Year Research-status Report
3次元地震動を受ける鋼構造建築の耐震安全余裕度の解明と残存耐震性能評価法の高度化
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15K18150
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石田 孝徳 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80746339)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 3次元繰り返し載荷実験 / 露出型柱脚 |
Outline of Annual Research Achievements |
露出型柱脚は中小規模の鋼構造建築の柱脚形式として多く用いられており、その弾塑性挙動が骨組の耐震性能に及ぼす影響は、これまでの平面骨組での研究において大きいことが示されている。しかし、柱脚部の弾塑性挙動に着目した立体骨組に関する研究は少なく、3次元外力を受ける露出型柱脚の現実的な復元力特性を再現できる解析モデルを実装した立体骨組の地震応答解析を行い、柱脚部の弾塑性挙動が立体骨組の挙動に及ぼす影響を解明することは重要な課題である。そこで平成28年度は、鋼構造立体骨組の3次元弾塑性応答解析プログラムに組み込む露出型柱脚の解析モデルのキャリブレーションに用いる実験データを得るため、3次元繰り返し載荷実験を実施した。試験体は、角形鋼管柱が8本のアンカーボルトにより基礎コンクリートに接合される露出型柱脚であり、アンカーボルトが先行降伏するように設計している。水平2方向の載荷履歴については、楕円の組み合わせにより構成される載荷履歴を用い、楕円の振幅を漸増させながら繰り返し載荷した。軸力については、中柱を想定して一定軸力を作用させた場合および外柱を想定して変動軸力を作用させた場合の2パターンとした。実験結果の概要であるが、楕円の長軸方向における柱脚の回転角が1/50radを超える領域においては、圧縮側のベースプレートによる支圧力により基礎コンクリートにひび割れが生じ、柱脚に耐力劣化が生じたが、それ以前の変形領域においては、3方向荷重を受ける場合のアンカーボルト降伏型の露出型柱脚の履歴挙動に関する実験データが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度実施予定であった、柱脚部の3次元繰り返し載荷実験を行ったが、その解析モデルや鋼構造立体骨組の弾塑性応答解析プログラムのコーディングはまだ終えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の通り、部材や接合部の載荷実験を追加して行い、実験結果との比較により履歴モデルをキャリブレーションすることで解析精度の向上を図るとともに、鋼構造立体骨組の弾塑性応答解析プログラムを作成する。
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Causes of Carryover |
自作する鋼構造立体骨組の弾塑性応答解析プログラムのデバッグのため、市販の汎用解析プログラムを購入する予定であったが、これを無償の汎用解析プログラムで代用できると考え、市販の解析プログラムの購入を止めたことから、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も引き続き実施する柱脚部の3次元繰り返し載荷実験に必要となる、ひずみゲージなどの実験消耗品の購入にあてる計画である。
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