2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Volcanic Ash with Humidity Control Function and its Application to Spraying Building Materials
| Project/Area Number |
15K18162
|
|---|
| Research Institution | DAIICHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
|---|
Principal Investigator |
位田 達哉 第一工業大学, 工学部, 講師 (40434279)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 火山灰 / 多孔質材料 / 調湿 / 平衡含水率 / 湿式吹付け / 加熱発泡 / 酸分解 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
我が国は高温多湿・低温乾燥の気候地域であり，室内環境においては空調機器に依存する状況となって久しい。地球規模での省エネルギー推進の気運が高まる一方で，高断熱・高気密の追求によってシックハウス症候群をはじめとする健康障害が顕在化するなど，環境負荷の低減と室内空気質の向上の両立が急務となっている。また，桜島も我が国有数の活火山であるが，この噴火による降灰は人々や自然環境に様々な影響を及ぼすだけでなく，断続的に発生する火山灰を処分するには根本的な解決方法を模索する必要がある。
そこで本研究は，火山灰の資源としての価値創造を実現するため、火山灰を用いた湿式吹付け建材の開発を目的とする。
昨年度は，火山灰の湿式吹付け建材の施工性および吸放湿性について検討し，水結合材比が低く，厚みがある試験片ほど吸放湿性が向上することを示した。本年度は，調湿性能の評価指標のひとつである平衡含水率を測定するとともに，平衡含水率に影響を及ぼす建材の表面形状の関係について調べた。その結果，重ね吹きによる効果はみられなかったものの，水結合材比を低くし，試験片の表面積を増すことで，平衡含水率が向上することがわかった。
また，火山灰の元素マッピングと，酸処理を施した火山灰の細孔構造の変化について検討した。その結果，火山灰に含まれる金属を酸処理によって除去することにより，僅かではあるが比表面積や微細孔の増加が認められた。未処理の火山灰の細孔容積と比較すると，調湿に有効とされる細孔径10nm以下の細孔容積はすべての試料で増加しており，特に希塩酸による増加が顕著であった。他方，細孔径30nm以上の細孔容積については，希硫酸および熱濃硫酸で顕著であり，硫酸系の酸処理によって，調湿性能の向上が期待できることがわかった。
|
