2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K18171
|
Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
森上 伸也 豊田工業高等専門学校, 建築学科, 助教 (50735107)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 人体温熱生理モデル / 2 node モデル / 通風環境 / 温熱快適性 / 発汗・蒸発モデル / 皮膚温 / 発汗サーマルマネキン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究目標は、被験者実験の結果と多分割型人体温熱生理モデルの計算結果を比較することで、非定常通風環境における人体温熱生理モデルの予測精度検証及び改良を行うことである。 平成27年度以前の研究で、人体温熱生理モデルを通風環境へ適応するために発汗・蒸発モデルを拡張し、平均皮膚温の予測精度を向上させることに成功している。本研究では発汗量および蒸発量を測定し、発汗・蒸発モデルの妥当性を検討することを目的とした。実験は東京工芸大学の通風型人工気候室と人体に近い発汗現象を再現可能な発汗サーマルマネキンを用いて、定常状態および非定常状態の通風環境で、発汗量および蒸発量を測定した。実験条件は気温32度を保ち、風速を0.1m/sからステップ的に2.0m/sに変化させた非定常通風環境における条件とした。発汗サーマルマネキンの発汗量は一定とし、風速をステップ的に変化させることで、蒸発量が一時的に増加し、発汗量と蒸発量の違いを測定する。 人体温熱生理モデルの検証には基礎的で広く普及されている2 node モデルを使用した。2 node モデルは人体を深部と外殻部の二つに分けて温度が計算される。発汗サーマルマネキンと拡張型2 node モデルの皮膚温は、代謝量や体の熱容量が異なるため、高い予測精度が得られなかったが、相対的な皮膚温変化は概ね一致する傾向を示した。提案する拡張型発汗・蒸発モデルでは、風速のステップ変化直後における皮膚に残った汗の急激な蒸発を再現でき、提案するモデルの妥当性を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、多分割型人体温熱生理モデルの検証であったが、2層型人体温熱生理モデル(2 node モデル)の検証にとどまっている。現在、2 node モデルとのベンチマークテスト中であり、安定した予測結果が得られていないため、計算プログラムの見直しを実施している。しかし、代表的な多分割型人体温熱生理モデルである25 node モデルは、2 node モデルの発汗モデルを基礎とするところがあり、2 node モデルにおける検証と同様の結果となることが予想される。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究では、昨年度2 node モデルで非定常通風環境への適応性が明らかになった発汗・蒸発モデルを用いて、非定常通風環境に適応可能な多分割型人体温熱生理モデルを開発することを目的とする。通風環境は不均一であるため、人体の部位ごとの評価が可能なStolwijkの25 node モデルを参考にする。 また、自然通風環境を再現した通風型人工気候室および自然通風のある実験住宅における実測で主観申告実験を行い、筆者らが定式化した気持ちよさ評価モデルを検証および改良を行う。 実験および実測の解析では、通風の気持ちよさの「大きさ」と「発生頻度」に焦点をあてて、総合的に快適と評価される自然通風環境において、最適な気持ちよさの大きさと発生頻度の組み合わせについて検討し、気持ちよさの発生メカニズムについて検討を行う。
|
Research Products
(2 results)