2017 Fiscal Year Annual Research Report
Poverty, Social Exclusion and Housing Indicators
| Project/Area Number |
15K18182
|
|---|
| Research Institution | Oita University |
|---|
Principal Investigator |
川田 菜穂子 大分大学, 教育学部, 准教授 (90608267)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 貧困 / 社会的排除 / 住宅アフォーダビリティ / 住宅政策 / 国際比較 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は前年度にひき続き、１）イギリス・フランス、および欧州連合（EU）等の国際機関が実施する主要調査統計のうち、貧困・社会的排除の実態把握を主たる目的とするものを抽出して、調査項目や集計項目から住宅関連指標を抽出・整理し、その動向を分析した。また、２）日本国内の若年層を対象に前年度末に実施した独自調査を詳細に分析した。貧困・社会的排除の状況におかれやすい典型層として、児童養護施設等を退所した社会的養護経験者に着目し、その不安定な居住実態や居住ニーズを把握した。さらに、３）独自調査、および既往調査のデータを比較可能な状態に整備したうえで、欧州諸国等との比較分析を行った。ルクセンブルク所得調査（Luxembourg Income Study）や欧州所得・生活状況調査（EU-SILC:EU Statistics on Income and Living Conditions)、OECDのAffordable Housing Databaseから相対的貧困率や住宅のアフォーダビリティに関する情報を収集し、比較分析を行った。そして、４）貧困・社会的排除を捉えるための住宅関連指標と住宅政策へのインプリケーションについて検討した。
若年層に着目すると、日本においては、親の家に居住している場合においては、貧困や社会的排除から逃れている一方で、親から自立して居住している場合には、重い家賃負担によって貧困や排除が深化している傾向がみられた。
独自調査の結果等は、日本建築学会大会の学術講演会や欧州住宅研究ネットワーク（European Network of Housing Research )の国際会議にて報告した。
|
