2016 Fiscal Year Research-status Report
モンスーン地域を住みこなす親水居住の類型化を通じた集落更新モデルの構築
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15K18184
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
古川 尚彬 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 特任助教 (80454106)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 親水居住 / 洪水常襲地 / 生産活動 / 水辺空間 / 生活様式 / モンスーン / ベトナム / フエ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
当該研究の目的は，ベトナム・フエの香江流域圏において「モンスーン気候を住みこなすような暮らし」を続けてきた当該地域の親水居住の特徴を明らかにすることである．
前年度は，洪水常襲地であるにも関わらず集落が形成され，現代までに発展を続けてきた香江中流域の金龍（キムロン），涼舘（ルオンクアン），蜆島（コンヘン）という３つのエリアを対象に，住宅実測や生活に関する聞き取り調査を実施した．
2年目である当該年度では，前年度に調査を実施した上記３エリアにおける親水居住の生活様式について類型化し，その変容を分析することを目的として研究を進めた．
具体的には，初年度に分析が完了していなかった項目，集落が拡大してきた集落変遷プロセスの分析を行い，香江中流域におけるさまざまな親水居住のタイプの抽出を行い，それぞれの特徴と課題について整理した上で，現地行政が運用する都市計画の制度上の課題について明らかにした．また，上流部においても，詳細な地形図を入手することができたため，洪水被害が大きい香壽（フントー）をサンプルとして取り上げて，親水居住に関する実態調査を実施し，集落が拡大してきたプロセスの分析した．それぞれの集落では近年陸上交通が飛躍的に便利になり，また，人口が増え職業が多様化している状況の中で，水田耕作のような水資源をうまく活用するような職業は相対的に減少傾向にある現状があることが明らかになった．
さらに，当該研究の中間成果について，地元の人民委員会代表に対して報告し，洪水被害が深刻な地域における今後の集落整備について意見交換を行った．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り，当該地域における親水居住の類型化を行い，現代に至るまでにどのようにそれらが変容してきたのかを分析することができた．
また一方で，初年度に地形に関する分析に用いたものと同等の精度を持つ地形図を上流部においても入手することができたので，上流部の中でも洪水被害が大きい香壽（フントー）というコミューンをサンプルとして取り上げて，親水居住の実態調査を遂行し，他の３地区と同様に集落変遷プロセスの分析を行うことができた．
さらに，研究成果，主に集落の住環境改善に関するアイディアの共有を目的として，次年度に開催を予定しているセミナーに先立って，人民委員会の代表に研究成果の報告を行い，その準備も同時に進めることができた．
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度では，香江流域での水に親しい多様な生活を可能とするような親水居住タイポロジーを計画言語として開発し，そのタイポロジーを用いて集落を自律的に更新させていくモデルを構築するべく，研究代表者の方で集落更新モデル案を作成し，その案を住民参加のセミナーを通じて検討する予定である．そこでは単なる研究成果の報告だけではなく，主に集落の住環境改善に関するアイディアを地域の代表や一般の人々と共有することを目的とする．
最終的には，研究代表者がそのセミナーの結果を踏まえて，親水居住のタイポロジーの可能性と課題について考察したい．
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