2015 Fiscal Year Research-status Report
シビックテクノロジーの地域計画・まちづくりへの応用に関する研究
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15K18188
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
馬場 健誠 早稲田大学, 理工学研究所, 次席研究員 (00643769)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 計画支援技術 / シビックテクノロジー / 参加型まちづくり / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、市民自らの手によって情報技術を活用し社会的課題を解決へ導く動きを、「シビックテクノロジー (Civic Technology)」と呼ふようになって来ている。本研究は、我が国と米国「シビックテクノロジー」の活動を調査の対象とし、生活者目線によって構築された地域特有の情報や知識をまちづくりや計画へ応用することを前提に、ICT 技術を活用し市民の参加性・透明性・協業性を強調した計画理論の基盤を構築し提示することを目的とする。 本年度の調査を通じて、シビックテクノロジーを効果的に活用していくうえで、行政機関と技術開発者間の協働性に関連した課題が多いことが明らかになり、こうした課題に対して、「シビックテクノロジー分野の人材育成」と「シビックテクノロジーのプラットフォーム構築」に関連した取り組みが進められている。 一方、シビックアプリケーションソフトウェア開発に関して、地域の課題報告や問題解決のアイデアを呼びかける、行政と地域住民をつなぐツールとして開発が盛んであった。しかし、これらのアプリケーションによって収集されたデータは、個別の地域課題に対する知見の蓄積であるため、データの応用範囲が限定的であると言える。 以上を踏まえ、シビックテクノロジーを活用した、地域特有の情報や知識のデータの蓄積と活用に対して、市民による地域資源の「発見」や「評価・検証」に関する取り組みが脆弱であった。これは、本研究が対象とするICT技術を活用した地域住民による自発的な情報蓄積やそれを用いた「発見」と「共有」までいたっておらず、今後の課題としてあげられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、2015年度に米国を中心とした海外視察を予定していた。しかし、国内における複数のシビックテクノロジー団体の関係者にヒアリングを行った結果、各団体の活動方針やシビックテクノロジーの定義がバラバラであった。こうしたことから、各シビックテクノロジー団体に対してより詳細な活動内容・課題の実態整理と協働性を高める上での、フィードバックが重要であると判断し、ブリゲード団体への調査の延長する。また、整理された我が国特有の課題を整理したうえで海外視察を実施する。一方、まちづくり情報蓄積を対象としたシビックテクノロジーアプリケーション開発に対する示唆が得られた。 以上のことから、当初の予定よりはやや遅れていると報告する。
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Strategy for Future Research Activity |
シビックテクノロジーの実態調査に不足があり、国内における調査期間を1年間延期し、2016年度に継続して調査を実施する。2015年度に行う予定であった海外視察は、我が国における課題整理にあわせて行っていく。そのため、未使用額は主に国内・海外出張の旅費と研究データのとりまとめのための人件費等に充当することを予定している。
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Causes of Carryover |
計画では、米国を中心とした海外視察を予定していた。しかし、国内の調査が不足していると判断し、2015年度に行う予定であった海外視察は、2016年度に取りまとめて調査を実施する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は主に国内・海外出張の旅費と研究データのとりまとめのための人件費等に充当することを予定している。
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Research Products
(1 results)