2018 Fiscal Year Research-status Report
16世紀末から17世紀初頭のヴェネツィアにおける建築的介入と社会的変革
Project/Area Number |
15K18191
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
青木 香代子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (00597065)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヴェネツィア / 都市史 / 建築史 / 近世 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は研究対象地をサン・マルコ広場から、リアルト地区やアルセナーレに拡げ、昨年までと同様の手法で、建築的介入について調査・研究を進めた。そのなかで、特に、建築家アントニオ・ダ・ポンテと当時の建設審査官(プロヴェディトーリ)を務めていた反教皇派貴族との密接な関係が存在したことに着目したうえで、現地調査をおこない、計画の経緯で両者と親教皇派貴族との間で交わされた議論を示す史料を収集した。当初、今年度は2度の現地調査を予定していたが、前年度の調査で得られた十分な史料をもとに、国内で事前調査をおこなうことができた。そのため現地調査回数を1度に減らし、効率良く助成金を使用することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度に現地調査をおこなうことが困難だったため、その影響が及んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
16世紀末から17世紀初頭のヴェネツィアでは、これまで見てきたようなモニュメンタルな建築だけでなく、街路や護岸(フォンダメンタ)といった都市基盤の整備も急速に進められた事実に着目し、その過程において政府内でおこなわれた議論を調査・研究する。そして、本研究の最終段階として、当時の親教皇派・反教皇派の貴族が建築に求めた政治的・社会的な意図や象徴性をより具体的にし、五年間の研究を総括し、報告書をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
前年度の調査で得られた十分な史料をもとに国内で事前調査をおこなうことができたため、当初2回を予定していた現地調査を1回に減らし、さらに調査期間を短縮したことが次年度使用額が生じた理由である。 補助事業を1年延長した今年度は、最終調査として2度の渡航を予定している。これまでに繰り越された助成金はその費用として有効に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)
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[Book] 危機の都市史2019
Author(s)
初田香成,岩本 馨,栢木まどか,福嶋啓人,岩城考信,川本智史,鈴木真歩,登谷伸宏,岸泰子,髙橋元貴,三宅拓也,青木香代子,満田さおり,赤松加寿江,東辻賢治郎,會田涼子
Total Pages
406
Publisher
吉川弘文館
ISBN
9784642038843