2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K18232
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
盛田 元彰 東京海洋大学, その他部局等, 助教 (30636626)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 溶融亜鉛めっき / 疲労強度 / 高サイクル疲労破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の目標は,亜鉛めっき鋼材の疲労破壊に関する基礎データを取得し破面観察することにより,溶融亜鉛めっきの処理の有無や,酸洗処理の有無の影響を明らかにすることと,マクロ組織的に起点部を同定することであった。そこで,供試材に,炭素鋼まま材,溶融亜鉛めっき処理した炭素鋼材(酸洗有),溶融亜鉛めっき処理した炭素鋼材(酸洗無)の3種を用い,疲労試験を行った。荷重波形は応力比 R=0.01,正弦波である。酸洗処理の有無は疲労強度には影響を及ぼさなかったが,めっきの有無は疲労強度に影響を及ぼした。炭素鋼まま材と溶融亜鉛めっき処理した鋼材(酸洗有)の疲労強度を比較した時,低サイクル(10000回以下)側では両者の疲労強度に差はなかったが,高サイクル(10000回以上)側では溶融亜鉛めっき処理した鋼材の疲労強度は炭素鋼ままの疲労強度よりも低下した。また,サイクル数が増すにつれて,両者の疲労強度の差は大きくなった。破面解析した結果,低サイクル側の全ての供試材の破断部先端はくびれており,延性破壊していた。低サイクル側では,全ての供試材の破壊機構が同じであったため,疲労強度に差がなかったと考えられる。一方,高サイクル側において,溶融亜鉛めっき処理した炭素鋼材の疲労破壊起点部は明確にめっき部で形成されていた。また,溶融亜鉛めっき処理した炭素鋼材では,中サイクル(10000回から100000回)では複数個の起点部が存在していたが,高サイクル(100000回以上)での1個の起点部であった。以上より,高サイクル側で疲労強度が低下した要因はめっき部に要因があること,めっき部を起点とする疲労破壊機構がサイクル数に依って変化することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度では以下のことを明らかにした。 ・溶融亜鉛めっきの処理の有無や酸洗処理の有無の影響 ・上記材料の疲労破壊起点部をマクロ組織レベルで同定
研究計画に記載した目標を達成できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,亜鉛めっき鋼材における疲労破壊のモデル化を行う。 具体的には以下のことを実施する。 ・サブクラックの起点部とその進展方向を観察する。 ・溶融亜鉛めっき処理した炭素鋼材における疲労破壊機構をモデル化する。
|
Causes of Carryover |
順調に研究が進捗し,研究協力者に対する謝金を減額できたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
試験片の本数は計画時よりも多くなっているため,それらに使用する。
|
Research Products
(1 results)