2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Solid Oxide Fuel Cells with Mixed Ion Conductor for High Efficiency Methane Operation
Project/Area Number |
15K18239
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
島田 寛之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60738285)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | セラミックス / 電気化学 / 燃料電池 / SOFC / 両イオン伝導体 / プロトン伝導 / 酸化物イオン伝導 / メタン |
Outline of Annual Research Achievements |
プロトン伝導性SOFCは発電生成水蒸気による燃料希釈が起きないため、高い燃料利用率と作動中の電圧を維持でき、高効率デバイスであるSOFCの発電効率をさらに向上できる可能性がある。本研究では、電解質材料探索と新規電極材開発により、SOFCのプロトンと酸化物イオンの両イオン伝導特性を制御することで、メタン燃料運転における高効率化の実現性について検討を行った。電解質材料としては、Ba(ZrCe)O3系のプロトン伝導性材料を中心に材料探索を実施した。また電極材料としては、ニッケルと電解質材料を均一に混合・分散化させ、比表面積増加かつガス拡散性を向上させた多孔質燃料極を作製した。これらの材料を電解質および燃料極として採用すると同時に、空気極側の分極抵抗を低減することで、電子リークを抑制し、極めて高いイオン輸率を実現するデバイスの試作に成功した。イオン輸率の一つの指標として、水素―空気を用いた600℃時の測定起電力が理論起電力の97%以上を示したが、これは実測値としては世界的にも極めて高い値であった。また、Ba(ZrCe)O3系材料と新規電極を用いて円筒型や平板大型セルなどの実用セル試作にも成功し、これらを用いての発電効率測定を実施した。その結果、出力特性としては小型セルと同等の性能を示したが、高効率発電のためには、電極のガス拡散性の向上や流速制御等の課題が明らかとなった。特にメタンを燃料とした際には、温度の均一化が重要であった。実際に高効率発電を実証するためにはより詳細な追加検討が必要であるが、本研究をとおして、SOFCのさらなる高効率化を可能とする材料・セル部材の開発に成功し、実際の実用セル運転を行うことにより、両イオン伝導性SOFCの成立性と課題を示すことができた。
|
Research Products
(6 results)