2017 Fiscal Year Annual Research Report
High-speed reduction method by bubbles induced emulsified metal droplets in molten salt bath
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15K18250
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
夏井 俊悟 北海道大学, 工学研究院, 助教 (70706879)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コロイダルメタル / 溶融塩 / その場観察 / 電気化学 / 流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
溶融塩中に電解生成する金属液滴特性について力学的に検討するために、定電位電解時の電極付近の高速顕微鏡観察および液-液界面に働く力とその流動モデル構築に取り組んだ。 溶融LiCl-KCl共晶塩(m.p: 626K)について、Moカソード上で電解析出した液体Liと溶融塩との界面挙動の詳細な可視化を行った。電位の印加とともに初期に微小液滴が生成、時間の経過に従って液滴同士が集まり成長していく様子、滴の成長と電流値の対応、コロイダルメタル(金属霧)の拡散が確認されたが、コロイダルメタルによる液滴界面形状への直接的な影響は十分に明らかにはならなかった。これは、融体液滴と生成したコロイダルメタルとの相互作用が見出される必要があり、そのためにはより観察に適した系を探索する必要がある。そこで、CaCl2-LiCl共晶塩を対象に析出金属挙動のその場観察を行った。電極表面は金属性の光沢と同時に黒色のコロイダルメタルに覆われ、析出したCa-Li合金は銀白色の析出物と黒色コロイダルメタルの2種類の形態として存在し、自発的に六角形のセル状となり電極表面を移動することが明らかとなった。この対流メカニズムとして、分散相同士が電気的中性を保持するための電気的凝集、あるいは電解反応による急激な温度勾配あるいは濃度勾配により生じる対流の影響が示唆される。 一方、密度比、粘性比、液相間界面エネルギーおよび界面曲率に依存した力をSmoothed Particle Hydrodynamics(SPH)モデルに導入し、時間発展的に液-液界面変形を記述することができた。気泡導入による対流場形成に加え、上述の電極近傍セル状マイクロスケール流は、わずかな界面張力差でも相対的に大きな流速が生じることが示唆された。この流速に起因した流動は、電極付近での混合過程に効果的な寄与をもたらすことが期待される。
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