2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K18251
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金 宣中 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40724430)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 銅熔錬スラグ / リサイクル / 乾式精錬 / 三相平衡 / 銅回収 / 鉄資源確報 |
Outline of Annual Research Achievements |
銅熔錬スラグ中には鉄が約40mass%も含まれるが、スラグ中のCu を分離する技術が確立されてないため、年間120 万トンもの鉄資源が放置されている。本研究では、銅熔錬スラグの硫化・還元処理を行い、スラグ-マット-メタルの三相共存を利用した新リサイクリングプロセスを提案する。 今年度はその第一のステップとして硫黄分圧と酸素分圧を変化しながら雰囲気を調整し、Fe2S-Cu2S-Na2S系マットとメタル( Cu )間の平行分配比の調査した。その目的としては、マット中のCu2Sの活量係数を下げ、最終的にマットへCuを濃縮させることである。そのため、一定の温度でポテンシャル図を作成して 高い硫黄分圧や酸素分圧で雰囲気を調整し、またマットにはアルカリ系硫化物であるNa2Sを添加させた。 マット中にアルカリ系硫化物が含まれるとCu2Sの下がることが報告されているが、 銅熔錬スラグ中のCu濃度が1mass%程度であるため、Cu2Sが低濃度における熱力学データ調査する必要があった。 マットにNa2Sを添加した結果、Naの蒸気圧が激しく相平衡に到達しないこととマット中にNaがほとんど検出されなかった。また、酸素分圧が高いためマットのFeSの酸化反応とMgO坩堝と反応が同時に起こり、FeO-MgOスラグが発生した。つまり、マットへCuを濃縮できる分圧条件ではスラグが発生され、かつ、三相平衡であることがわかった。今後、 三相平衡において、雰囲気およびマットやスラグの組成に調査する。特に、 Al2O3が高いスラグを調査し、電子スクラップのリサイクルために生じる非鉄精錬のスラグまで本研究結果の活用範囲を広げる。
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Remarks |
本研究進行に当たって情報収集および打ち合わせもした。
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