2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of MOF-based membrane and membrane reactor
Project/Area Number |
15K18261
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
原 伸生 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 化学プロセス研究部門, 主任研究員 (70613545)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気体分離膜 / MOF膜 / 反応分離膜 / 反応分離MOF膜 / MOF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、金属有機構造体(MOF)膜の反応分離プロセスへの拡張を指向した研究を進めている。これに用いるMOF膜には、高い気体透過性が要求されることから、多孔質支持体の表面においてMOFの一種であるzeolitic imidazolate framework-8(ZIF-8)の緻密な薄層を形成する手法の開発を行った。ZIF-8の結晶形成においては、有機配位子と金属塩の濃度・濃度比・温度等が影響を及ぼすことから、最初にZIF-8の結晶形成条件の検討を溶液状態において行い、続いて多孔質支持体の表面における結晶形成条件の検討を行った。溶液状態における検討では、紫外可視分光光度計を用いて、所定の濃度・濃度比・温度で調整したZIF-8の反応溶液の濁度の経時変化を測定して、結晶形成における核発生および結晶成長の過程を追跡した。この結果、溶液濃度が高く、金属塩に対する有機配位子の濃度比が高く、温度が高いほど、ZIF-8の溶液の白濁の発生が早く、核発生および結晶成長速度が速いことを明らかにした。続いて、ZIF-8の反応溶液と多孔質支持体が共存状態においてZIF-8の結晶形成反応を行い、反応後に多孔質支持体を洗浄した後に表面のSEM観察を行った。この結果、溶液濃度と温度が高いほど結晶形成の密度が高くなった。金属塩に対する有機配位子の濃度比については、特定の濃度比範囲において結晶形成の密度が高くなった。高濃度比では核発生頻度が高くなり多孔質支持体の表面における結晶形成密度が高くなるが、さらに濃度比が高くなると、溶液中における均一核発生が優勢となり、多孔質支持体の表面における結晶形成密度は低下する。得られた複合体について構造および気体透過性の測定を行い、MOF膜の透過性向上に向けた知見を得た。
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Research Products
(7 results)