2015 Fiscal Year Research-status Report
電磁コイルから生じる宇宙プラズマ抗力を用いた小型衛星の編隊飛行に関する研究
Project/Area Number |
15K18281
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲守 孝哉 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50725249)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小型衛星 / フォーメーションフライト |
Outline of Annual Research Achievements |
近年注目を集めている小型衛星は低コスト、短い開発期間という利点から、多数の衛星を軌道上で編隊飛行させる多地点同時観測、継続地球観測といったミッションが提案されている。ところが小型衛星では、重量、スペース、推進薬(燃料)搭載や管理等のコストのため編隊維持に必要な推進器の搭載が困難である。従って、ほぼ全ての小型衛星が軌道制御能力を持たず編隊飛行を簡易に実現できない。本研究では電磁コイルから生じる宇宙プラズマ抗力を利用した燃料が不要で重量が小さい新しい軌道制御手法を提案する事を目的としている。平成27年度では軌道上プラズマ環境において衛星が磁場により受ける抗力についてPIC (Particle in Cell)法を用いた数値シミュレータを構築して検討を実施した。小型衛星で保持が可能な現実的な磁気モーメントで低軌道環境下において生じる抗力について評価を実施した。さらに軌道上環境モデルを実装した小型衛星の軌道姿勢シミュレータを構築し複数衛星間の簡易な相対軌道制御について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたPICシミュレータの構築と軌道シミュレータを用いた検討を進めており概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
小型衛星では質量や電力の制約が厳しいため、できる限り小さな質量や電力で大きな抗力を発生させる必要がある。その際の様々なコイル形状やコイル中心に置く磁性体の種類、流す電流について、磁気解析FEMを用いた電磁コイル最適設計について検討を行う。さらに磁気トルカの出力を変化させる事により相対軌道をより短時間で制御する方法について制御則の検討を進める。
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Causes of Carryover |
本年度研究を進めるにあたり、他研究室の借用など大学内での研究物品を有効利用する事により、予定より少ない研究費で研究を進める事ができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度、平成29年度と実験等を実施する予定であり、実験結果によっては当初の予定より多くの費用を要する可能性がある。本年度生じた費用は実験材料、計測機、準備費用に用いる予定である。
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